研究課題/領域番号 |
19592118
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研究機関 | 国立感染症研究所 |
研究代表者 |
大原 直也 国立感染症研究所, 免疫部, 室長 (70223930)
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研究分担者 |
中山 浩次 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (80150473)
岡部 真裕子 国立感染症研究所, 免疫部, 研究員 (50455391)
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キーワード | 破骨細胞 / マクロファージ / 歯周病原細菌疾患 / Porphyromonas gingivalis / BCG |
研究概要 |
細菌感染による骨破壊のメカニズムを明らかにする目的で、歯周病原細菌Porphyromonas gingivalisとBCGを用いて、その感染による破骨細胞分化への影響を調べた。M-CSF/RANKLで誘導される破骨細胞の分化初期にP.gingivalisあるいはBCGが感染するとその分化は抑制された。破骨細胞分化における細胞内シグナルではTRAF6、c-fos、NEAT2が中心的な役割を果たすと考えられるが、非感染細胞においてc-fosが24時間後、NFAT2が48時間後でその発現量が増加していたのに対し、感染細胞では通常破骨細胞に分化する6日間においてはc-fos、NFAT2ともに発現量の上昇はみられなかった。PU.1およびTRAF6の量は非感染細胞においても、感染細胞においても変化が認められなかった。また一般的には破骨細胞分化を正に制御するIL-6、MCP-1、RANTES、TNF-αの産生が認められた。一方GM-CSF、IL-4、IL-10、Interferon-γはBCG感染によっても発現量の上昇はみられなかった。細胞表面におけるCD11b、CD18、MHC classII、CD80、CD14、CD61の発現パターンはP.gingivalisあるいはBCGの感染により変化した。これらのことから、分化初期におけるBCG感染による破骨細胞分化の抑制は分化の方向性が変化したことによることが示唆された。
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