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2008 年度 実績報告書

歯周病原菌のバイオフィルム特異的発現遺伝子の網羅的解析

研究課題

研究課題/領域番号 19592127
研究機関北海道医療大学

研究代表者

鎌口 有秀  北海道医療大学, 歯学部, 准教授 (40133235)

研究分担者 中澤 太  北海道医療大学, 歯学部, 教授 (60115053)
キーワード歯周病原因菌 / バイオフィルム / 口腔細菌 / タンパク質 / Porphyromonas gingivalis
研究概要

成熟バイオフィルムは抗菌薬や生体防御機構に抵抗する重要な成分である。P.gingivalisのバイオフィルム形成菌は浮遊菌に比較し遺伝子発現に相違がみられたが、抗菌薬耐性機構等に関与する遺伝子等については、明確にできていない。バイオフィルムが成熟することは物理的に抗菌薬の浸透の阻害や抗体や食細胞の作用に対する阻害に関与する大きな要因と考えられる。Pseudomonoas aeruginosaのバイオフィルムの成熟にはlasI遺伝子から発現されるAI-1が必要とされている。P.gingivalisの類似の作用をもつAI-2を産生する。P.gingivalisのAI-2産生に関与するluxS変異株と親株の96well plateへのバイオフィルム形成性を検討したところ、親株に比較し、luxS変異株の方がバイオフィルム形成量が多く、バイオフィルム形成率も高いことが観察された。このことはP.aeruninosa等で報告されていることとは逆の現象であった。P.gingivalisの親株とluxS変異株における菌体のタンパク質発現の2次元電気泳動による比較において親株ではアルギニン特異的システインプロテアーゼ(Rgp)がluxS変異株より多く産生されており、luxS変異株ではNAD-specific glutamate dehydrogenaseが多く産生される違いが観察された。これらのことより、P.gingivalisではAI-2は単独でのバイオフィルム形成の成熟に働くのではなく、バイオフィルム形成菌の結合を弱め、一部の菌を遊離させ、他の菌との共凝集を促進するように働く可能性が示唆された。また、両菌株間で相違がみられたこれらの成分は直接的または間接的にバイオフィルムの成熟や遊離に関与している可能性が示唆された。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Porphyromonas gingivalis無色突然変異株のバイオフィルム形成性2008

    • 著者名/発表者名
      鎌口有秀, 他
    • 雑誌名

      北海道医療大学歯学雑誌 27

      ページ: 85-92

    • 査読あり
  • [学会発表] Porphyromonas gingivalisのバイオフィルムについての検討2009

    • 著者名/発表者名
      鎌口有秀, 他
    • 学会等名
      第82回日本細菌学会
    • 発表場所
      名古屋
    • 年月日
      20090312-20090314
  • [学会発表] Gene expression of Porphyromonas gingivalis biofilm2008

    • 著者名/発表者名
      Kamaguchi A., et al.
    • 学会等名
      86^<th> General Session and Exhibition of the IADR
    • 発表場所
      トロント(カナダ)
    • 年月日
      20080602-20080605
  • [学会発表] バイオフィルムへのPorphyromonas gingivalisの参入とその後の動向の検討の為の基礎的研究2008

    • 著者名/発表者名
      鎌口有秀, 他
    • 学会等名
      第50回歯科基礎医学会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2008-09-23

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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