研究課題/領域番号 |
19592134
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研究機関 | 東京歯科大学 |
研究代表者 |
下野 正基 東京歯科大学, 歯学部, 教授 (00085771)
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研究分担者 |
橋本 貞充 東京歯科大学, 歯学部, 准教授 (10201708)
村松 敬 東京歯科大学, 歯学部, 講師 (00276982)
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キーワード | 付着上皮 / 長い付着上皮 / laminin γ_2 / integrin β_4 / integrin α_3 |
研究概要 |
歯肉付着上皮では、DAT細胞とよばれる最表層の付着上皮細胞が内側基底板を介して、laminin γ_2などの細胞外マトリックスとintegrin α_6β_4などの接着タンパクによりエナメル質に接着している。本研究は、(1)付着上皮の接着機構と細胞移動、(2)付着上皮のダウングロースと治癒過程における長い付着上皮の短小化、のメカニズムの解明を目的としている。 マウス顎骨の川本法による未固定非脱灰切片をもちいて、laminin γ_2、integrin β_4、integrin α_3の局在と発現を、免疫蛍光共焦点顕微鏡観察による三次元再構築像により検討し、歯肉切除後の再生過程に形成される長い付着上皮においても、正常な付着上皮と同様に、laminin γ_2、integrin β_4、integrin α_3の局在が、結合織側の外側基底板と、エナメル側の内側基底板に限局して強く線状に発現することが確認された(J.Periodont. Res.2009.)。さらに、老齢ラットにみられる加齢に伴う付着上皮の深部進展においても、同様にlaminin γ_2、integrin β_4、integrin α_3の局在が観察された。 このことから、治癒過程における長い付着上皮の形成や短小化、さらに加齢による付着上皮の深部進展過程においても、DAT細胞様の上皮細胞が、laminin γ_2とintegrin β_4を介してセメント質表面に強く接着すると共に、integrin α_3による歯根表面の細胞移動を活発におこなっていることが明らかとなった。これらの結果は、深部に進展した付着上皮の露出歯根面への接着が正常な付着上皮のエナメル質への接着と同様のメカニズムでおこなわれていること示しており、長い付着上皮による治癒は、従来いわれているような脆弱なものではなく、正常に近い付着状態を維持して歯周疾患の進展を防ぎ、歯周組織の恒常性を維持にきわめて重要な役割を担っていると考えられた。
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