研究課題
前年度、全反射顕微鏡TIRF-M (total internal reflection fluorescence-microscopy)を用い、GFP標識したヒト成長ホルモン(hGH-GFP)とSNAREタンパク質であるVAMP8-GFPの分泌像を観察し解析した。hGH-GFPとVAMP8-GFPは、いずれも球形または長いチューブ状の小胞に発現し、細胞周辺部の突起部で分泌像を示したが、両者が同一の分泌小胞に発現しているか否か、明確な証拠は得られなかった。そこで本年は、全反射顕微鏡システムを異なる二色の蛍光に対応できるように改良を加え、hGH-GFPと赤色蛍光を発生するSNAREタンパク質との共局在について検索した。【方法】赤色蛍光タンパク質としてDsRed、クサビラオレンジ、Tag-RFPなど3種類のタンパク質を選び、蛍光強度、退色速度、pH安定性等を検討した。全11種のヒトv-SNAREをクローニングし、赤色蛍光タンパク質との融合タンパク質を発現するベクターを構築した。【結果と考察】HeLa細胞に導入した全11種のヒトv-SNAREはゴルジ装置から分泌小胞、エンドソーム、細胞膜にいたる様々な部位に特異性を持って発現した。各v-SNAREのうち相互に共通の局在を示すものも見られた。hGH-GFPと赤色蛍光タンパク質と融合した11種のv-SNAREを同時に発現し、二色TIRF-M観察したところ、ゴルジ領域では多くのv-SNAREとhGH-GFPの局在が一致したが、開口分泌の起こる周辺部まで行動をともにするv-SNAREはわずかであった。現在、各v-SNAREに対するsiRNAの効果を検討中である。
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J Oral Pathol Med. 37
ページ: 475-479
Arch Oral Biol. 53
ページ: 437-442