研究分担者 |
此内 浩信 岡山大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (20294423)
柳 文修 岡山大学, 医学部・歯学部附属病院, 助教 (50284071)
久富 美紀 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (60314704)
松崎 秀信 岡山大学, 医学部・歯学部附属病院, 助教 (70325124)
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研究概要 |
本研究は,顎口腔領域の病変内部の各病理組織成分のMRIの経時的造影パターン(ダイナミックMRI)を分析・評価することで,術前に顎口腔領域における病変の病理組織組成を予測し,鑑別診断や良性,悪性の区別を非侵襲的に行なうことを目的としている。また、ダイナミックMRIを悪性腫瘍の化学療法や放射線療法後の効果の判定,治療終了後の再発の検出,さらには,予後因子として応用しようとするものである。 今年度は,まず唾液腺腫瘍の鑑別診断あるいは良性・悪性の鑑別を行うことを目的として,唾液腺腫瘍の中でも高頻度に認められる良性腫瘍の多形性腺腫とワルチン腫瘍および悪性腫瘍の粘表皮癌と腺様嚢胞癌において,ダイナミックMRIが鑑別に有用であるか否かの検討を行った。15秒のシーケンスである3D-FISPのdynamic CE-MRIを用い,急増・急減の特異的なCIカーブ(造影効果の割合を現すcontrast index(CI)を経時的にプロットしたもの)を示すワルチン腫瘍は診断可能であることを示し,診断学上,重要な結果を得た。また,ダイナミックMRIのパラメーターであるTmax(CIの最大値を示した時間)とWashout ratio(造影剤の排出の割合)を用いた診断基準値を決定することにより,多形性腺腫,ワルチン腫瘍および悪性腫瘍の鑑別に有用であることを報告した。これらの研究結果を英文雑誌に報告した(Oral Oncol.2007 43(9):940-7)。 上記研究と同時に扁平上皮癌における病理組織学的標本・免疫染色とダイナミックMRIのパラメーターとの関係の検討をおこなっているが,本年度は報告には至っていない。
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