研究課題
基盤研究(C)
末梢炎症を誘発した若年ラットの大脳皮質のグリア細胞において抗炎症性サイトカインのIL-10ならびにTGF-β1の発現が認められた。一方、末梢炎症を誘発した中年ラットの大脳皮質では、炎症性サイトカインであるIL-1βの発現が髄膜に加えて脳実質内のグリア細胞にも認められた。さらに、末梢炎症を誘発した中年ラットの大脳皮質では髄膜における密着結合タンパク質であるオクルディンならびにZO-1の発現が低下しており、髄膜透過性の増大ならびに血球細胞の脳実質内への浸潤が認められた。初代培養髄膜細胞においてIL-1βならびにPGE_2は各々オクルディンならびにZO-1の発現を有意に低下させた。IL-10ならびにTGF-β1はIL-1βならびにPGE2の作用を抑制した。以上の結果、慢性の末梢炎症に対して髄膜.グリア連関は若齢ではニューロン保護的に、中年では逆にニューロン傷害的に作用することが明らかとなった。このことから特に中高年者では慢性の末梢炎症が深刻な脳炎症を引き起こすことが示唆された。
すべて 2009 2008 2007 その他
すべて 雑誌論文 (10件) (うち査読あり 10件) 学会発表 (19件) 図書 (2件)
Neurobiol. Disease 32
ページ: 543-551
J. Neurosci 28
ページ: 8624-8634
Neurosci. Lett 442
ページ: 292-296
Biochem. Biophys. Res. Commun 372
ページ: 816-820
Glia 56
ページ: 1448-1462
Mol. Cell. Neurosci 35
ページ: 573-584
J. Neurosci. Res 85
ページ: 2196-2206
Free Rad. Biol. Med 42
ページ: 945-954
Neurochem. Int 50
ページ: 499-506
ページ: 184-192