研究課題/領域番号 |
19592174
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
角 美佐 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 准教授 (90284702)
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研究分担者 |
中村 卓 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (30172406)
田代 茂樹 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (20300882)
角 忠輝 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (80284701)
木村 泰男 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (30253686)
高木 幸則 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (30295084)
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キーワード | 頭頸部癌 / 頸部リンパ節転移 / 被膜外浸潤 / MRI |
研究概要 |
本年度は、MRIにおける頸部転移リンパ節の被膜外浸潤の検出能について検討した。対象は頸部郭清術によりリンパ節を摘出し、リンパ節転移が組織学的に確認された頭頸部癌患者である。摘出された転移リンパ節を、組織学的に被膜外浸潤ありと、被膜外浸潤なしに分け、各リンパ節のMRIにおける1)水平断像におけるリンパ節の短径、2)T1強調像におけるリンパ節周囲の脂肪層の消失、3)脂肪抑制T2強調像におけるリンパ節周囲の高信号域、4)造影T1強調像におけるリンパ節辺縁の不整、各所見について検討、その後、各所見を診断基準としたときの被膜外浸潤の診断能についてロジスティック解析を用いて検討した。 その結果、単変量ロジスティック解析では、1)〜4)の全ての所見が被膜外浸潤の診断に有意であることがわかったが、多変量ロジスティック解析では、1)3)4)は有意であるが、2)T1強調像におけるリンパ節周囲の脂肪層の消失については、有意ではなかった。そこで、1)、3)、4)をそれぞれ診断基準としたときのSensitivity、Specificityを求めたところ、1)水平断像におけるリンパ節の短径(cutoff point=16mm)では、それぞれ、80%、85%、3)脂肪抑制T2強調像におけるリンパ節周囲の高信号域では77%、93%、4)造影T1WIにおけるリンパ節辺縁の不整では65%、99%であった。 以上より、脂肪抑制T2強調像と造影T1強調像が転移リンパ節の被膜外浸潤の診断に有用であることが示唆された。脂肪抑制T2強調像における高信号域は、被膜外浸潤を起こしたリンパ節周囲に引き起こされるリンパ浮腫を反映していると推測される。以上を論文にまとめて投稿、AJNR Am J Neuroradiol29,1355-59,2008に掲載された。
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