口腔乾燥症の病態解明と治療法の確立

2008 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 19592177
• 研究機関: 九州歯科大学
• 研究代表者: 田中 達朗 九州歯科大学, 歯学部, 講師 (50326469)
• キーワード: 唾液 / 口腔乾燥症 / MRI / sialography / 機能 / シェーグレン症候群 / クエン酸 / 治療

研究概要

我々は、これまでに静的な状態でしか撮像・診断ができなかった唾液腺のMRI検査を動的な状態での検出を可能とするようなDynamic MR silaographyの開発をしてきた。昨年度は、この撮像法を口腔乾燥症と診断された患者に対して応用することで、味覚刺激後の唾液の流量、反応時間、流出パターンなどが健常者とは異なる様相を呈することを示した。これらは、唾液腺の機能状態を従来の手法とは全1く異なったMRIにより検出し、診断を行うことを可能にするもので、口腔乾燥症、シェーグレン症候群などの疾患の診断に際しての新たな指標となり得る要素を示したものと考える。唾液腺やその周囲組織に異常を訴える患者に対しては、MRI検査が頻繁に用いられていることを考慮すると、形態と機能を同時に検査出来るこの手法は患者の負担軽減という点において臨床的にも意義あるものと考える。加えて、現在は口腔乾燥症患者に対し、唾液腺洗浄療法、薬物投与などの治療を行った患者から得られたDynamic MR sialographyのデータを基に画像所見や唾液の流出パターンの違いによる治療効果の違いについても分析を行っている。これらの結果をもとに、今後は口腔乾燥症の病態解明とともに治療法の確立を行っていく予定である。

研究成果

• [雑誌論文] Dynamic MR sialography for patients with xerostomia (2008)
  • 著者名/発表者名: Tanaka T, Ono K, Ansai T, Yoshioka I, Habu M, Tomoyose T, Yamashita Y, Nishida I, Oda M, Kuroiwa H, Wakasugi-Sato N, Okabe S, Kito S, Takahashi T, Tominaga K, Inenaga K, Morimoto Y
  • 雑誌名: Oral Surg Oral Med Oral Pathol Oral Radiol Endod 106 ページ: 939-947
  • 査読あり
• [雑誌論文] Usefulness of CT scan images for planning the bone cut for intra-oral vertical ramus osteotomy (2008)
  • 著者名/発表者名: Yoshioka I, Tanaka T, Oda M, Kodama M, Habu M, Kito S, Okabe S, Wakasugi-Sato N, Kuroiwa H, Tominaga K, Morimoto Y
  • 雑誌名: J Maxillofac Oral Surg 7 ページ: 245-250
  • 査読あり
• [雑誌論文] Assessment of the relationship between the mandibular cortex on panoramic radiographs and the risk of fractures and vascular diseases in 80-year-olds (2008)
  • 著者名/発表者名: Okabe S, Morimoto Y, Ansai T, Yoshioka I, Tanaka T, Taguchi A, Kito S, Wakasugi-Sato N, Oda M, Kuroiwa H, Ohba T, Awano S, Takata Y, Takehara T
  • 雑誌名: Oral Surg Oral Med Oral Pathol Oral Radiol Endod 106 ページ: 433-442
  • 査読あり
• [雑誌論文] Dynamic MR sialographyを用いた唾液腺の機能評価 (2008)
  • 著者名/発表者名: 田中達朗, 若杉奈緒, 岡部幸子, 鬼頭慎司, 森本泰宏
  • 雑誌名: 北九医工誌 18 ページ: 35-38
• [学会発表] Dynamic MR sialography for patients with Sjogren syndrome (2008)
  • 著者名/発表者名: Tanaka T, Yoshioka I, Kito S, Matumoto S, Wakasugi-Sato N, Oda M, Kagawa S, Ono Y, Shiki K, Momozono A, Morimoto Y
  • 学会等名: The 7th Asian Congress of Oral and Maxillofacial Radiology
  • 発表場所: Nara
  • 年月日: 20081120-20081122
• [学会発表] 三叉神経痛治療法の選択と予後判定におけるMR画像の有効性 (2008)
  • 著者名/発表者名: 田中達朗, 椎葉俊司, 坂本英治, 鬼頭慎司, 松本 忍, 若杉奈緒, 小田昌史, 仲西 修, 森本泰宏
  • 学会等名: 第21回日本口腔診断学会
  • 発表場所: 東京
  • 年月日: 20080900
• [学会発表] シェーグレン症候群患者に対するDynamic MR sialographyの有用性 (2008)
  • 著者名/発表者名: 田中達朗, 小田昌史, 若杉奈緒, 松本忍, 鬼頭慎司, 森本泰宏
  • 学会等名: 日本歯科放射線学会第49回学術大会
  • 発表場所: 名古屋
  • 年月日: 20080500
• [備考]
  • URL: http://www2.kyu-dent.ac.jp/depart/radiplogy/study.html