研究課題
我々は、これまでに唾液腺のMRI検査を動的な状態での検出を可能とするようなDynarnic MR sialographyの開発を行ってきた。今年度までに、この撮像法を口腔乾燥症患者30名、シェーグレン症候群患者5名、健常者ボランティア40名に対して行い、味覚刺激後の流出パターン、反応時間などが患者と健常者とでは異なる様相を呈することを示した。更にシェーグレン症候群患者では、「apple-tree appearance」の所見も確認出来た。これらは、唾液腺の機能状態を従来の手法とは全く異なったMRIにより検出し、診断を行うことを可能にするもので、唾液腺機能低下を来す疾患の診断に際しての新たな指標となり得る要素を示したものと考える。唾液腺やその周囲組織に異常を訴える患者に対して形態と機能を同時に検査出来るこの手法は患者の負担軽減という点において臨床的にも意義あるものと考える。加えて、現在は口腔乾燥症患者に対し、唾液腺洗浄療法、薬物投与などの治療を行った患者から得られたDynarnic MR sialographyのデータを基に画像所見や唾液の流出パターンの違いによる治療効果の違いについても分析を行っている。これらの結果をもとに、今後は口腔乾燥症の病態解明とともに治療法の確立を更に押し進めていく予定である。
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