研究概要 |
顎骨の骨質評価を行うことを研究目的とする「MRIマイクロスコピーコイルによる被曝のない顎骨の骨梁解析」は研究3年目にはいった。平成20年度研究実績から被曝のないMRIの撮像データからエックス線検査と同等の骨梁解析ができることが実証されてきた。平成19年度から引き続き実施してきた基礎的検討として,剖検顎骨を用いてMRIマイクロスコピーコイルの骨梁の描出能を検討し,骨梁の詳細な検討が可能であることが判明した。これら骨梁の描出能の検討はCT検査を含む各種エックスス線検査との比較検討を行い,同等の骨梁データの抽出が可能であった。MRIマイクロスコピーコイルの撮像はファントーム用いて通常のT1, T2強調像に加え脂肪抑制像等の各種撮像シークエンスについて最適な撮像条件も検討した。検討した撮像条件の下にて剖検顎骨をMRIマイクロスコピーコイルにて撮像し,MRIのデータから骨梁解析を施行した。ファントームによるMRIマイクロスコピーコイルの撮像条件の検討はコイルを適正に使用すればT1, T2強調像に加え脂肪抑制像のすべてが骨梁解析に可能であった。数名のボランティアにてMRI撮像したところ,エックス線像と同様の骨梁解析が可能であり,論文として報告した。またこれら骨梁解析データが歯科医療の画像診断の基本である口内法においても応用可能であるかを歯周再生治療への骨梁解析に応用した。また骨質を評価する上で病的像として代表的な骨髄炎等の骨髄疾患にこれらMRIデータが応用可能であることも検討して,論文を追加作成中である。
|