15週齢雄マウスの片側大腿骨に対して、同じ幾何学的条件下で背側から直線加速放射線治療装置を用いてX線(6MeV、照射野15×15mm)を2Gy/day・5day/week、総線量70Gyまで照射した。吸収線量30Gyの時点から1週間間隔でマイクロフォーカスX線撮影装置とイメージングプレートを組み合わせ、実験側とコントロール側を対象にデジタル拡大規格撮影を3ケ月間おこなった。得られたX線画像情報はFCR5000MA(ピクセルサイズ50μm)を用いて読み取りをおこない、骨形態計測法による皮質骨・海綿骨を含めた骨梁構造解析を行った。また、摘出骨の照射野に一致した部位の病理組織標本を作製した。コントロールは反対側とした。 さらに、15週齢雄マウスの片側顎骨に対して、大腿骨と同様の条件で照射を行い、35Gyおよび50Gy時に屠殺して骨梁構造解析を行って評価した。屠殺前に99mTc注射を施し、オートラジオグラフィによる骨シンチグラフィー検査も施行した。 大腿骨におけるX線像による骨構造解析の結果として、38Gyまでは照射側とコントロール側との間の構造パラメータに有意な変化を認めなかったが、40Gyから骨梁密度(BV/TV)に関して有意差を認めた。X線照射終了4週後まで1週間毎の経時的な単純X線撮影を行い、骨梁構造の解析を行ったが構造の改善効果は認められなかった。照射後4週後の病理切片(HE像)では骨梁の断片化が認められ、著明な炎症細胞浸潤を認めた。 顎骨におけるX線像による骨構造解析の結果として、35Gy照射終了時では照射側とコントロール側との間の構造パラメータに有意な差を認めなかったが、50Gy照射終了時では有意な差を認めた。骨シンチグラフィー検査の結果では、35Gy照射終了時に有意な差を認めた。
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