研究課題/領域番号 |
19592190
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研究機関 | 福岡歯科大学 |
研究代表者 |
三輪 邦弘 福岡歯科大学, 歯学部, 助教 (10136509)
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研究分担者 |
岡村 和彦 福岡歯科大学, 歯学部, 准教授 (00224056)
香川 豊宏 福岡歯科大学, 歯学部, 助教 (00258592)
湯浅 賢治 福岡歯科大学, 歯学部, 教授 (40136510)
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キーワード | 超音波診断法 / 組織性状診断 / 腫脹リンパ節 |
研究概要 |
「研究目的」超音波診断では高精細な輝度画像を読影するために定量化された視覚フィルタを作成する。作成した視覚フィルタを用いて口腔癌の頸部リンパ節超音波像を数量解析して微小転移を含む転移像の構築を即座に定量判定できる組織性状定量診断システムを開発する。 「研究実施計画」(1)卵形散乱体ファントムおよびリンパ節超音波像のDICOMデータをMOディスクで取得し、既存のコンピュータに記録する。(2)厳重に管理された症例データのグレイ階調数を変えて再構成する。(3)再構成像について各階調画素の分布様態を考案した複雑度算出式(modified complexity value:MCV)を用いて数量化する。 「研究成果」症例データとして取得した口腔癌患者の腫脹リンパ節を術後病理組織最終診断によって転移性と非転移性に分けて再構成画像を作成した。転移性と非転移性の画像再構成像から算出したMCVを統1計的分析で比較した。その結果、以下のような結論が得られた。(1)画一的な撮像ができない超音波断層2法に対して、MCVを用いて超音波診断装置の走査設定や探触子の走査手技などを考慮するためにファントム画像を分析し、その安定性を確認した。(2)口腔癌例の腫脹リンパ節における転移像と非転移像を16階調層で再構成し、その内部性状についてMCVを用いて分析した。その結果、特定階調層におけるMCVがリンパ節転移による内部性状変化の判別に有効であることを見出した。 「研究の意義と重要性」リンパ節への癌転移は局所的に偏在する場合(localized)、節内全体に散在的あるいは占有的に分布する場合(generalized)など多様である。今回、MCVがこれらにどのように関わっているのかという点については未検討であるが、パラメータを利用した広範囲な画素構築の定量化は画像の基本的病態変化の特徴を捉えるために、今後有効な手段となる可能性がある。
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