研究課題/領域番号 |
19592191
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
田中 佐織 北海道大学, 大学病院, 助教 (90344522)
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研究分担者 |
菅谷 勉 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 准教授 (10211301)
宮治 裕史 北海道大学, 大学病院, 講師 (50372256)
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キーワード | 4-META / MMA-TBBレジン / 接着治療 / 再生療法 / 生体親和性 / 垂直歯根破折 |
研究概要 |
イヌ歯根面にレジン象牙質複合体を充填した場合の組織反応の評価 象牙質粉末の作製:ビーグル犬の歯根を抜去、粉砕し、粒子径150μm以下の象牙質粉末をクエン酸、塩化第二鉄(10-3)による処理を行い乾燥させた。 部位:2頭のビーグル犬の上顎前小臼歯12本の20歯根を用いた。(レジンのみ6部位:R群、レジン/象牙質/エムドゲイン12部位:RDE群) 手術:上顎前臼歯に裂開状骨欠損を作製後、各歯根面に直径1mmの窩洞を形成し、レジン塗布を行うと同時に象牙質粉末をふりかけ法でレジン上に接着させ、象牙質含有レジンを作製、レジン硬化後、RDE群ではEDTAで処理後エムドゲインを塗布し、対照群ではレジン塗布のみとした歯肉弁を復位、縫合した。術後6週後に脱灰薄切標本を作製、H-E染色し、レジン周囲の組織を観察した。象牙質粉末と周囲組織が結合している試料が観察され、また数例で象牙質含有レジン上に根尖方向から連続するセメント質様組織が観察された。レジンと象牙質粉末を混合し、エムドゲインを用いた場合、レジン上に硬組織が形成される可能性があると考えられた。一方、象牙質粉末が吸収され、炎症性細胞が観察された例もあった。象牙質含有レジンとエムドゲインによる再生療法を併用することによってレジン上にセメント質が形成される可能性を見出すことが出来たが、その可能性をさらに高めることが必要と考えられた。今後この方法にさらなる改良を加え、臨床応用可能となれば、その臨床的価値は大きく、垂直破折歯根の接着治療法のみならず、広く歯周組織再生療法の開発へ展開できると考えられる。
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