研究課題/領域番号 |
19592193
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
八巻 惠子 東北大学, 大学院・歯学研究科, 助教 (90182419)
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研究分担者 |
島内 英俊 東北大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (70187425)
佐藤 拓一 東北大学, 大学院・歯学研究科, 講師 (10303132)
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キーワード | 根尖性歯周炎 / 嫌気性菌 / 16S ribosomal RNA / PCR |
研究概要 |
東北大学病院附属歯科医療センターの保存科外来における感染根管症例を研究対象とし、感染根管治療の前後で根管内に棲息する細菌が質的・量的にどのように変化するか、分子生物学的手法により検索した。患者の同意を得て感染根管治療前、治療中、根管充填直前の根管壁から手用ファイルを用いて象牙質削片を採取、嫌気グローブボックスに搬入、40mMリン酸カリウム緩衝液中で分散・均一化後、連続10倍希釈でCDC血液寒天培地に接種し1週間嫌気培養、CFUを求めた。また、生育したコロニーからDNAを抽出し16S ribosomal RNAのユニバーサルプライマーでPCR増幅した。得られたPCR産物は制限酵素で切断した際の泳動パターンを基に選別し、シークエンス解析した。その結果、治療前のCFUは10^1〜10^6/mLのオーダーで、根管拡大とともにそのCFUが激減することが確認できた。Weissella属の単一感染が一例あった他は2〜8種の混合感染で、Streptcoccus、Olsenella、Pseudoramibacter、Lactobacillus、Dialisterに属する細菌が多く検出された。初回に臨床的健康象牙質が出現するまで根管を拡大し消毒剤を貼薬すると、多くの症例で2回目来院時の根管壁は培養陰性となった。今後は、治療前の根管壁表層象牙質と拡大後の深層象牙質とで検出される細菌の種類や存在比率に差があるのか、また機械的・化学的清掃拡大に抵抗性を示し難治性根尖性歯周炎の病原となりうる細菌種がないか、検証していく。
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