研究課題/領域番号 |
19592196
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
石崎 裕子 新潟大学, 医歯学総合病院, 講師 (60303161)
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研究分担者 |
福島 正義 新潟大学, 医歯学系, 教授 (30156773)
児玉 臨麟 新潟大学, 医歯学系, 助教 (10272824)
風間 龍之輔 東京医科歯科大学, 医歯学系, 助教 (50387429)
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キーワード | 天然歯 / 修復物 / 磨耗量 / 咬合力 |
研究概要 |
歯冠修復物は天然歯と同じ量で咬耗磨耗していくことが理想と考えられる。これまでに被験者年齢をしぼり修復物が一切ないう蝕未経験者19名の3年間(その後も協力を得られた者は10年間)にわたる歯列模型を蓄積し、咬合力と天然歯の生理的な磨耗量の関係について調査してきた。本研究はこれらの資料をもとに、口腔内での修復物の磨耗咬耗と咬合力の関係を調査し、理想的な磨耗咬耗特性を有する生体親和性修復材料を検索することを目的とした。口腔内のコンポジットレジン修復物の磨耗咬耗量は、コンポジットレジン材料のフィラー構成により異なり、フィラー含有率は高いが粉砕型フィラーのみの材料は、ミクロフィラー含有の有機フィラータイプや、粉砕型にミクロフィラー添加したタイプの材料より大きい磨耗量を示した。なお、追加実験として、材料の咬耗磨耗に関連が深いと思われる表面正常および物性変化について、口腔内環境を模したin vitro実験を行った。酸性飲料水への浸漬では各種コンポジットレジン材料の表面性状が粗造となること、アルコール飲料への浸漬では濃度が高くなるほどコンポジットレジン材料の物性に影響が生じる(曲げ強度の著しい低下)ことが判明した。さらに、水長期浸漬(1年)した場合にもコンポジットレジン材料の物性に影響が生じ(曲げ強度の低下)た。なお、高齢化社会を迎え、磨耗によって切縁・咬合面の象牙質が露出することか知られている。高齢者では象牙質が磨耗基準となることも考えられるが、象牙質露出の疾病構造は明らかではない。その調査のための予備的調査を行ったところ、22~76歳の被験者の象牙質露出保有率は90%で、象牙質露出率はいずれの年代でも前歯が臼歯より高く、咬合力や咬合接触面積ではほとんど相関がみられず、年齢との間で相関が認められた(r=0.61,p=0.005)。
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