研究課題/領域番号 |
19592197
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
吉羽 永子 新潟大学, 医歯学系, 助教 (10323974)
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研究分担者 |
吉羽 邦彦 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (30220718)
竹中 彰治 新潟大学, 医歯学系, 助教 (50313549)
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キーワード | う蝕 / 修復 / 半導体レーザー / 象牙質・歯髄複合体 |
研究概要 |
本研究の目的は、レーザーを応用したより快適でより生物学的なう蝕治療法の確立のための基礎データーをえることである。細胞生物学的、免疫学等の領域の先端的研究手法を駆使して、レーザー照射の象牙質・歯髄複合体への生物学的影響、炎症歯髄への効果、さらに積極的な修復・再生を意図した新たな生物学的う蝕処置の確立を目指すものである。 1、ラット臼歯歯髄における半導体レーザー照射の初期反応について: 出力0.5Wもしくは1.5Wで60秒x3回の条件で照射を行い、照射直後、1、2、3日後の歯髄反応を観察したところ以下の結果を得た。 1. 0.5W照射群では、歯髄の損傷は軽度であり、前駆細胞の増殖分化過程を経ることなく、2日後には象牙芽細胞様細胞の再配列が生じていた。 2. 1.5W照射群では象牙芽細胞が消失する一方、2日目以降にBrdU陽性細胞が出現した。 3. これらの初期反応の違いが、以降展開される新生硬組織形成様式をある程度規程することが推測される。 2、ラット臼歯歯髄におけるEr: YAGレーザーによる窩洞形成の歯髄反応について: 出力80mJ, 10ppsにて象牙質の約半分の深さに達する窩洞を形成し、窩洞形成直後、6時間、12時間、1日、2日、3日、5日、7日経過後の歯髄反応を観察したところ以下の結果を得た。 1. 窩洞形成12時間および1日後には象牙芽細胞が消失し、2日後には象牙芽細胞様細胞の配列が生じた。 2. 細胞増殖は窩洞形成2日および3日後に多く認められた。 3. Er: YAGレーザーによる窩洞形成後の歯髄の損傷は軽度であるものの、前駆細胞の増殖分化過程を経て、象牙芽細胞様細胞の配列が生じたと思われる。
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