研究概要 |
審美修復の要求に伴いジルコニア高強度型セラミックスの臨床応用が進んでいるが,レジンセメントとの接着は十分といえず,更なる改善が必要とされている。我々は,ペルヒドロポリシラザン(PHPS:(-siH_2-NH-))によるシリカコーティング法の有効性を検討した結果,Pd触媒含有5%NL-120を500℃10分間焼成後、紫外線(185nm)により親水化処理したシリカ膜の形成とシラン処理がジルコニア接着を有効に改善することを報告した。今回,本シリカコーティング法を応用したジルコニア接着の耐久性を,サーマル試験(4℃/60℃,浸漬時間40s,20,000回)後の接着試験により評価するとともに,PHPSの塗布方法の検討を行った結果,次の結論を得た。 1.業者指定に従って作られたジルコニア(Cercon base: DeguDent)の研磨面(#2000研磨)およびサンドブラスト面(RocatecR-Pre: 110umAl_2O_3処理)の両面において,PHPSによるシリカコーティング法は,既存のRocatecR-systemおよびセラミックス接着プライマー(AZプライマー)と比較して高い接着耐久性を示した. 2.より優れた接着耐久性を得るには,本シリカコーティング法と耐水性を有する芳香族フッ素系シランカップリング剤(Fluoroalkyltrimethoxysilanes)の併用が推奨された. 3.サンドブラスト面に対するPHPSシリカコーティングには,均一な薄膜を作るためにエアーブローが必要であることが示された.
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