本研究では、3次元モデルの作成とその有限要素法応力解析が大きな柱である。特に3次元モデルは有限要素法を用いる応力解析ではシミュレーションの精度が解析結果に非常に大きな影響を与える。 本研究では、有限要素法のソフトウェアが以前から使用していたAnsysからMarcに変わり、これまで研究代表者が用いていたモデル作成法(断面形状を手作業でプロットし、3次元モデルを作成する方法)では、研究テーマである大臼歯欠損のブリッジの3次元モデルの作成はきわめて困難であることが判明した。そこで、精密歯牙模型の断面形状から3次元CADソフトを用いて、モデルを作成する方法を試みたが、これも機械設計用CADでは歯牙モデルの作成は非常に困難であることも判明した。そこで、デンタルCT画像からFEMモデルを作成できるソフトウェア(Mimics)を用いてモデルを作成(外注)することとした。作成したモデルは、下顎の第1大臼歯欠損、第2小臼歯、第2大臼歯を支台歯としたブリッジであり、従来型のフルクラウンと鋳造支台築造体の組み合わせたものとした。このモデルは有限要素法ソフトウェア上で、材料定数や、各パーツを結合することによって、本研究のテーマである親規支台歯形態と歯冠修復物形態も作成できる。現在このモデルを用いて、応力解析を行っている。平成21年度中には成果を報告する予定である。
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