研究課題/領域番号 |
19592236
|
研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
高木 亨 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 非常勤講師 (20124696)
|
研究分担者 |
永井 教之 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (90085770)
長塚 仁 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 准教授 (70237535)
鈴木 一臣 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (30050058)
山本 敏男 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (30107776)
入江 正郎 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (90105594)
|
キーワード | チタン / チタン酸 / 生体材料 / 細胞毒性 / 裏装材 / 非晶質炭素 |
研究概要 |
本プロジェクトは、チタン酸カルシウム(CaTiO3)に非晶質炭素を含有させて開発した新規生体活性物質、チタン酸カルシウム-非晶質炭素複合物(CaTiO_3-C)の歯科用材料(裏装材・根充材・コンポジットレジンのナノフィラー等)への応用を目的としている。 平成19年度は本研究テーマの1年目であり、CaTiO_3-Cナノ粒子の改良アルコキシド法による合成及び、その基本的な性質の解明を行った。 1.EELS分析により、合成されたCaTiO_3-Cは結晶構造中に非晶質炭素を含んでいたことから、この物質は従来の乾式法により炭酸カルシウム(CaCO_3)と二酸化チタン(TiO_2)の混合粉末を1200℃で加熱して作製される合成チタン酸カルシウム(ペロブスカイト、CaTiO_3)とは異なる、新規の複合物であることを明らかにした。 2.EF-TEM分析により、CaTiO_3-C穎粒は直径10-20nmの微小結晶が固まった集合体(多結晶)であることを明らかにした。 3.KUSA細胞を用いた細胞毒性実験により、CaTiO3-Cは細胞毒性が見られず、また石灰化を誘導することを明らかにした。 4.骨誘導性生体活性材料の性質として重要な、負の表面電荷を持ち且つ長期にわたり溶解性が低いという性質に関するハイドロキシアパタイト(HA)との比較実験より、CaTiO_3-CはHAと同じく負荷電かつ、HAより低い溶解性を示すことを明らかにした。 今後は、細胞および動物実験による骨誘導能反応試験等を実施する予定である。
|