研究分担者 |
永井 教之 岡山大学, 名誉教授 (90085770)
長塚 仁 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (70237535)
鈴木 一臣 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (30050058)
山本 敏男 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (30107776)
入江 正郎 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (90105594)
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研究概要 |
本プロジェクトは、チタン酸カルシウム(CaTiO3)に非晶質炭素を含有させて開発した新規生体活性物質、チタン酵カルシウム-非晶質炭素複合物(CaTiO_3-C)の歯科用材料への応用を目的としている。 平成19年度は、CaTiO3-Cナノ粒子の改良アルコキシド法による合成及び、その基本的な性質の解明を行った。また平成20年度は、アルコキシド法の改良を行い、特に加熱時間の違いによるCaTiO3-Cの物性及び細胞に与える影響について検討を行った。平成21年度は、チタン酸カルシウム-非晶質炭素複合物(CaTiO3-C)の細胞反応、生体反応について検討した。具体的には、チタンプレートに本材をコーティングし、細胞への影響を培養実験により検討した。 CaTiO3-C及びハイドロキシアパタイト(HA)コーティング溶液を作製し、我々が新規に開発したディッピング法、改良型熱分解法にてチタンプレートへのコーティングを行った。各コーティングプレート及びチタンプレート上でマウス骨芽細胞(MC3T3-E1)を培養した。細胞接着試験は、1、3、24時間後に評価し、CaTiO3-Cは、HAより接着能が高いことが示唆された。細胞増殖実験は、1,3,7日で細胞増殖能をMTSアッセイにて評価し、チタン>CaTiO3-C>HAの順で細胞増殖が減少したことが示唆された。細胞分化能実験は1、3,7,14,21日でALP活性測定によって評価し、TiとCaTiO3-Cは、同様の高いALP活性を示した。 以上の結果より、新規生体材料CaTiO3-Cは、HAと比較して細胞増殖能、細胞接着能、細胞分化能において優れた材料であると考えられ、歯科材料のみならず、医科領域への応用や、工業への応用も期待できる材料である。
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