リンガライズド・オクルージョン、フルバランスド・オクルージョンの両咬合様式ともに長所・短所があり、咬合様式の選択にあたっては、研究者、臨床家の間で意見が分かれているが、概ね顎堤条件によってどちらを選択するか決定しているのが現状である。しかし、臨床では、顎堤条件ばかりでなく、生活習慣、食習慣、口腔機能、性別、個性、QOLなどの条件が複雑に存在し、これらを考慮するとどちらの咬合様式を選択するか明確な指標がなく、迷うことが多い。これまでの報告では、QOLを含めた患者主体の評価がほとんどないのが現状である。 そこで、QOL、義歯満足度などの患者の主観的な評価と栄養状態、咀嚼状態、咬合など客観的評価を総合的に判断し、咬合様式選択の指標を得ることとした。
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