研究課題/領域番号 |
19592245
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
河野 文昭 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (60195120)
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研究分担者 |
浜田 賢一 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 准教授 (00301317)
大石 美佳 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 講師 (50263851)
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キーワード | リン酸三カルシウム / HAPセメント / 塩化ストロンチウム水溶液 / Sr-HAP / 硬化時間 / 溶解速度 / pH / 培養試験 |
研究概要 |
リン酸三カルシウム(TCP)は生体内で溶解性が高いことから、骨に置換する材料になる可能性がある。 このことから、本研究では、TCPを基材として早期に骨に置換するHAPセメントの開発と実用化を目指して、硬化体の低結晶化と骨形成促進効果、骨吸収抑制効果を図ることを目的にHAPセメント中にSrを導入することを試みている。すなわち、α-TCPの粉末を塩化ストロンチウム水溶液とリン酸二水素ナトリウムで連続的に練和する新しいHAPセメントを試作した。試料作製1週間後のXRDの結果により、試作HAPセメントにSr-HAPが生成されていることを確認した。さらに,この試作HAPセメントに溶解性を向上させるため炭酸ストロンチウムを添加し、硬化体の特性を検討した。試作HAPセメントは、従来型HAPセメントに比べ、硬化時間が短くなり、溶解速度が速くなった。炭酸スロンチウム添加量が多くなるに従い、硬化時間が短くなり、溶解速度は速くなった。セメント中に析出するアパタイト結晶にイオン半径の大きいストロンチウムが一部導入されることにより、アパタイトの結晶性が不安定になるため、溶解性を向上できることが明らかになった。しかし、試作HAPセメントの間接引張強さは、従来型の2倍となったが、炭酸ストロンチウムを添加すると急激に低下した。結晶解析、微細構造観察から、強さの低下は炭酸HAP由来の板状結晶によるものと考えられた。試作HAPセメントは、溶解時にpHの低下が著しいが、骨芽細胞の培養試験では、従来型HAPセメントと同等の結果を得た。また、動物実験の結果から移植後2週間で炎症反応が消失し、骨芽細胞の増殖と骨の新生が認められた。
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