研究課題/領域番号 |
19592249
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
久恒 邦博 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (20037526)
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研究分担者 |
白石 孝信 長崎大学, 大学院・医歯薬総合研究科, 准教授 (10150468)
三浦 永理 長崎大学, 大学院・医歯薬総合研究科, 助教 (70315258)
藤田 剛史 長崎大学, 大学院・医歯薬総合研究科, 助教 (90432971)
詫間 康子 長崎大学, 大学院・医歯薬総合研究科, 教務職員 (60160074)
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キーワード | 耐変色性 / 耐食性 / 歯科用合金 / 表面 / 分光反射率 |
研究概要 |
生体材料としての表面・界面特性評価の手始めとして、歯科で使われる合金に近い試料における表面変色挙動をJIS規格で指定された溶液を使って確認した。 白金を10at%に固定した3種類のAg-Au-Cu-Pt四元系合金を作製し、Arガス中で溶体化処理(850℃×30分)した後、鏡面仕上げした試料に対して、360-740nmの波長領域における分光反射率を測定し、CIE1976L^*a^*b^*表色系における明度指数L^*、知覚色度指数a^*、b^*を分光測色計にて求めた。さらに、37℃の0.1%硫化ナトリウム水溶液中に24、48、72時間浸漬し、その変色性を評価した。また、浸漬に伴う合金表面形態変化を走査型顕微鏡で観察した。 低波長領域の分光反射率は浸漬初期段階で大幅に低下し、その後の変化は小さかった。長波長領域の反射率は初期段階での低下は少なく、浸漬時間の増加とともに変化が大きくなった。この分光分布と等色関数から導かれる三刺激値に関して、変色初期段階ではX(赤)よりY(緑)の減少が多少大きくなるため、a^*がわずかに増加し、Y(緑)よりZ(青)の減少が大きいため、b^*が増加し、さらに、Y自体が減少したために、L^*が減少している。 浸漬後は合金表面に粒状Ag_2Sの生成が観察された。浸漬時間の増加とともに、粒成長が起こり、サイズとその分布が分光反射率の変化に影響を及ぼしたと考えられる。すなわち、粒径が小さい初期段階では低波長領域の反射率が低下し、生成物の成長とともに長波長領域の反射率が徐々に低下してきた。
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