研究課題/領域番号 |
19592256
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研究機関 | 北海道医療大学 |
研究代表者 |
越野 寿 北海道医療大学, 歯学部, 准教授 (90186669)
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研究分担者 |
平井 敏博 北海道医療大学, 歯学部, 教授 (80014273)
田中 真樹 札幌医科大学, 医学部, 助教 (40207139)
木下 憲治 北海道医療大学, 個体差医療科学センター, 准教授 (50211199)
豊下 祥史 北海道医療大学, 歯学部, 助教 (20399900)
岩崎 一生 北海道医療大学, 歯学部, 助教 (90453274)
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キーワード | 嚥下機能評価 / 内視鏡 / 嚥下音 / 誤嚥 / スクリーニングテスト |
研究概要 |
I目的本研究の目的は、嚥下機能の改善の可能性を客観的に提示することであり、従来、術者の経験により評価、判断されてきた嚥下機能訓練の進行度合いを客観的に提示することである。 II方法正常有歯顎者5名、障がい者5名を被験者として、試験食品嚥下時の内視鏡画像記録および嚥下音記録を行った。嚥下運動時の内視鏡検査には、経鼻的に挿入した耳鼻咽喉科電子ファイバースコープを用いた。嚥下音の観察には、生体信号検出ユニットを介して超音波診断装置に接続した加速度型心音マイクを用い、甲状軟骨より側方3cmの部位に両面テープと粘着テープで固定することで聴取した。内視鏡画像データおよび嚥下音波形データを今回購入予定の高解像度ビデオデッキを介してデジタル画像データとして、4チャンネル画像処理システムを有するパーソナルコンピュータに取り込み、擬系列の分析を行った。また、嚥下試験時の頭部の動きは、今回購入予定の高解像度ビデオカメラにて記録し、内視鏡画像、嚥下音と共に4チャンネル画像処理システムに同時記録した。さらに、歯科医師30名を被験者として、我々の規定した診断基準を元に、嚥下音記録から、嚥下の有無、誤嚥の有無の診断を行わせ、その診断精度を求めた。 III結果と考察内視鏡で嚥下運動を記録した際にホワイトアウトが観察されるが、これは、嚥下第1音発生と同時期であることが観察できた。正常嚥下では明確な2音が観察されるか、2音を合わせた持続時間が316msec以上であった。また、誤嚥時には、明確な咳の音波形を記録するか、呼吸に対応した小さな波形が観察された。 以上の結果を基に設定した診断基準の正診率は83%であり、スクリーニングテストとしての有用性が確認できた。
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