研究概要 |
53名の被験者をアクリル系軟性裏装材使用総義歯使用装着群(軟性群)26名,通法義歯装着群27名に無作為割り付けを行い,治療終了後,両群間の予後を検討する目的で.1年後,2年後の装着率を求めた.装着1年後の装着状況は軟性群26名において,義歯使用継続中の患者が16名,義歯を使用していない患者が10名であった.一方,通法群27名においては,義歯使用継続中の患者が16名,義歯を使用していない患者が11名であった.不使用の内訳は,連絡がとれない患者が3名,死亡した患者が3名,義歯を再製してしまった患者が1名,研究に参加したくない人が2名,リベースをしてしまった患者が1名であった.1年後においての義歯装着率は,軟性において61.5%,通法において59.2%であった.カイ二乗検定の結果,両群間において義歯使用の割合の差は認められなかった. 装着2年後の装着状況は装着1年後の装着状況は軟性群26名において,義歯使用継続中の患者が12名,義歯を使用していない患者が15名であった.一方,通法群27名においては,義歯使用継続中の患者が9名,義歯を使用していない患者が18名であった.不使用の内訳は,連絡がとれない患者が5名,研究に参加したくない人が6名であったが,軟性群において観察された死亡,義歯の再製,リベースの患者はいなかった.1年後においての義歯装着率は,軟性において46.2%,通法において33.3%であった.カイ二乗検定の結果,両群間において義歯使用の割合の差は認められなかった.
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