研究課題
mitf遺伝子に突然変異をもつ小眼球症マウスは破骨細胞の異常により歯槽骨が吸収されないため、全ての歯が萌出できず、咀嚼することができない。本年度は、この小眼球症マウスを用い成長発育過程における咬合様式の違い(咀嚼運動の有無)が咀嚼筋の発育・発達に及ぼす影響を調べた。シナプス形成はアセチルコリン受容体サブユニット(AChR)の転換と除去からなる。咬合運動の有無が咬筋線維におけるAChRの転換と除去に及ぼす影響を、AChRのサブユニットの発現をReal time PCR法および免疫組織科学的方法を用いて調べることにより検討した。その結果、咬合の起こらない小眼球症マウス咬筋ではアセチルコリン受容体の転換は正常に行われているが、除去が正常に行われず、成体の小眼球症マウス咬筋線維においては胎仔型、成体型両方のアセチルコリン受容体が混在して発現していることが示された。次に、咬合運動の有無が咬筋線維の性質に及ぼす影響を収縮蛋白質の一種であるミオシン重鎖(MyHC)の発現をReal time PCR法およびP. J. Reiser and W. O. Klineの電気泳動法用いて解析することにより検討した。その結果、新生児型MyHCが成体の小眼球症マウス咬筋線維において発現していることを観察した。これらの結果は、咬合運動の有無が咬筋の発育・発達、とくにシナプス形成に影響を与えていることを示唆している。
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