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2008 年度 実績報告書

ヒトの代謝活性因子を導入した歯科生体材料の発生毒性試験

研究課題

研究課題/領域番号 19592272
研究機関大阪歯科大学

研究代表者

今井 弘一  大阪歯科大学, 歯学部, 講師 (90103100)

キーワード生体材料 / 発生・分化 / 発生毒性 / EST / ES細胞 / 肝細胞 / 歯科用金属 / 歯科用モノマー
研究概要

ヒトの発生毒性への歯科生体材料の影響を評価する場合に,ヒト代謝活性因子の影響は無視できない.そこで,初年度に実施した実験結果を再確認するとともに,サリドマイドならびに歯科用金属組成元素のAg, Au, Cu, Hg, In, Pd, Sb, Ti, V, Zn,歯科用モノマーのEDMA,Bis-GMAについてコラーゲンゲルなどの3次元スキャフォードを用いて実験を行った.さらに実際の歯科用材料であるコンポジットレジンとグラスアイオノマーセメントについても同様に発生毒性への影響を検討した.ヒトの肝機能を維持しながら長期間培養ができる市販のヒトまたはラット由来のTEST LIVER^<TM>(TOYOBO)で培養した培養液とマウスES-D3細胞培養液を混合し,ES-D3細胞を懸滴培養して得られるEmbryoid Bodies(以下,EBs)から分化した心筋の鼓動率をしらべた.
試料無添加群の心筋鼓動率はともに66.7%であった.AgならびにサリドマイドでEBsの分化率が有意に低下した,しかしCuならびにZnではEBsの分化率はやや高くなった.また他の金属元素,歯科用モノマーおよび歯科材料では有意差が認められなかった.サリドマイドでは臨床的に強い発生毒性が指摘されており,代謝活性化しなかった場合と比べてヒトならびにラット由来の代謝活性化によってさらにEBsの分化率が低下したことは,代謝活性化で一層ヒトの臨床データに近づいた結果が得られた.肝細胞を用いて代謝活性化を行うことによって,発生毒性スクリーニング試験法結果のヒトへの予知性がさらに高められる可能性が大きい.今後,さらに代謝活性を導入する培養時間や実験方法自体に改良を加えることによって,より正確なデータが得られる余地は大きいと考えられる.

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] An Attempt to Cell Recovery Factor in the Cell Differentiation Culture with the Embryonic Stem Cell Test (EST)2009

    • 著者名/発表者名
      Imai K, Kusakawa S, Tanoue A, Kuwagata M, Senuma M, Furuya M, Takashima H
    • 雑誌名

      J Oral Tissue Engin 6

      ページ: 152-158

    • 査読あり
  • [雑誌論文] In vitro embryotoxicity testing of mercury vapor by differentiation of ES-D3 cells2008

    • 著者名/発表者名
      Imai K, Kusakawa S, Tanoue A, Kuwagata M, Senuma M, Furuya M, Takashima H
    • 雑誌名

      AATEX 13

      ページ: 118-122

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 再生歯科医学と生存学との接点2008

    • 著者名/発表者名
      今井弘一
    • 雑誌名

      日本再生歯科医学会誌 6

      ページ: 1-8

  • [学会発表] 生体内の代謝活性を考慮した金属イオンの発生毒性2009

    • 著者名/発表者名
      今井弘一, 田上昭人, 草川森士, 武田昭二
    • 学会等名
      第53回日本歯科理工学会
    • 発表場所
      東京都江戸川区
    • 年月日
      2009-04-11

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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