研究課題/領域番号 |
19592277
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研究機関 | 福岡医療短期大学 |
研究代表者 |
井上 勇介 福岡医療短期大学, 歯科衛生学科, 准教授 (20105688)
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研究分担者 |
福島 忠男 福岡歯科大学, 歯学部, 准教授 (80084250)
早川 徹 日本大学, 松戸歯学部, 准教授 (40172994)
岡畑 恵雄 東京工業大学, 生命理工学研究科, 教授 (80038017)
川口 稔 福岡歯科大学, 歯学部, 助教 (10122780)
谷口 邦久 福岡歯科大学, 歯学部, 教授 (90105685)
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キーワード | 生体材料 / DNA / キトサン / GTR / GBR / メンブレン |
研究概要 |
Tiプレート上のマルチレイヤーの抗菌性:直径50mmのTiのプレートを用い、ポリアリールアミン塩酸塩水溶液、DNA、キトサン、人工脂質と順次反応させて膜を作成した。表面は灰色に若干変色していたが、多層膜の形成は確認できていない。この生成した膜に対してフィルム密着法で抗菌性を検討したが、明確な抗菌性は認められなかった。ハロー法による再検討も必要と考えている。 総合評価:DNA/キトサン/人工脂質複合体は、少量の蒸留水と混合すればペースト状になり、成形性、賦形性は良好であった。引っ張り強さは低い値ではあったが、ややフレキシブルな性状を示し、メンブランとして使用可能と考えられた。DNA/キトサン/脂質複合体の機械的性質について、しなやかさの改善を意図してDNAの塩基対を変えた。合成時には3000bp、7000bpを用いた合成複合体は300bpを用いたときに比べて撚糸状を呈したが、凍結乾燥後の性状には変化は認められなかった。抗菌性については、Staphyrococcus aureus、Porphyromonas gingivalis、Prevotella intermediaに対して抗菌性を示した。また、Candida albicansにも抗真菌性を示した。ただ、塩基対の長さを変えても抗菌性に変化は認められなかった。細胞毒性は、マウス由来の繊維芽細胞L-929の細胞生存率は高い値を示し、細胞毒性は少ないものと考えられた。一方、DNA/キトサンフィルム、DNA/キトサン/人工脂質複合体、ポリ乳酸/グリコール酸共重合体を基材にしたDNA/キトサン/人工脂質マルチレイヤーメンブランにも抗菌性、抗真菌性が認められた。以上のことから、DNA/キトサン/人工脂質複合体を用いてGTRメンブランを開発することは可能と考えられたが、GBRについては、さらに検討が必要と考えられた。
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