研究概要 |
今年度は、CTS負荷による正常ヒト骨芽細胞からのOPGとRANKL産生について、継代別の骨芽細胞の産生能とマウス骨腫瘍由来細胞株NHOSのCTS負荷の条件決めについて解析した。 (1)CTSによる2群の骨芽細胞から産生される骨代謝調節因子産生の解析 骨芽細胞を無刺激で3から7継代までのOPG産生をELISAで解析すると、3,4継代に比べ、5,6,7継代の方がOPG産生が促進した。次、骨芽細胞にCTS負荷しELISAとreal-timeRT-PCRで解析したところ、OPGの産生はCTS負荷により3継代、4継代で増強されるが、5,6,7継代では逆に抑制された。有意差は3継代と5継代で得られた。3継代ではOPG産生は誘導されRANKLやsRANKL産生が抑制されるが、逆に5継代ではOPG産生が抑制されRANKLのmRNAの発現が増強した。RANKL産生は有意差がなかった。OPG産生、NO産生、Cox-2mRNA発現には継代の影響はなかった。実際、継代を増やすと、刺激により産生されるタンパク量は減るが、mRNAの発現はかなり増強していた。NOは継代を繰り返してもあまり変わらなかった。 (2)p38MAPK、ERK1/2の活性化の解析 CTS負荷でウエスタンブロッテイング法で解析したところ、3継代の骨芽細胞の活性化にp38MAPK活性化しERK1/2が不活化するが、5継代ではERK1/2の活性化しp38MAPKが不活化した。 2.NHOSの解析 NHOSは、CTS負荷がヒト骨芽細胞と違って細胞のダメージが大きいようで、CTS負荷は1日2時間を3日間、伸展率5%伸展周期0.25HzのCTSを加えると3継代のヒト骨芽細胞のOPGやRANKと同様の結果が得られることがわかった。今後はこの条件で解析を進めていく。
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