非観血的唾石摘出法としてホルミウム・ヤグレーザーを応用した体内唾石破壊法の開発を計画した。前年度に引き続き、唾石破壊のためのホルミウム・ヤグレーザーの至適発生条件を検討するための材料として手術により摘出された唾石を収集した。その際に必ず唾液腺造影検査で唾石の位置やサイズなどの唾石性状を把握し、それも基礎データとした。そのために唾液腺カテーテルを購入したが、特注であり、3Frと4Frのそれぞれ100本単位の受注生産のため、当初予算より、物品費に支出が大きくなった。そしてその湿重量、アルミニウム当量、短径、長径を計測した。これらを至適条件検索のための基本的データとしてデータベース化した。さらに唾石の微細構造を把握するために、追加で走査型電子顕微鏡での観察を追加した。それにより、唾石の微細構造と組成の推定を行った。唾石は板状で結晶構造が密なものと、疎で球状、桿状の微生物様構造が優位なものの2種類が観察された。一方、ホルミウム・ヤグレーザー発生器の販売代理店にホルミウム・ヤグレーザー発生の基礎的環境について調査したが、2007年に所属施設の変更が実験計画の全体の進行に影響を与え、破砕実験の環境整備が整わなかった。しかし、それまでの成果を第62回日本口腔科学会学術集会(2008年4月)で発表した。
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