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2009 年度 実績報告書

自然免疫ネットワークを応用した口腔感染症と口腔癌における新しい治療の展開

研究課題

研究課題/領域番号 19592309
研究機関北海道医療大学

研究代表者

奥村 一彦  北海道医療大学, 歯学部, 講師 (60194510)

研究分担者 磯貝 恵美子  北海道医療大学, 歯学部, 講師 (80113570)
キーワード自然免疫分子 / hCAP18 / LL-37 / 口腔扁平上皮癌細胞 / アポトーシス / ネクローシス / 樹状細胞
研究概要

hCAP18/LL-37による健常細胞と癌細胞の選択的効果の解析
健常上皮細胞と癌細胞におけるhCAP18/LL-37合成27残基ペプチドによる細胞効果の違いを、細胞内Ca^<2+>反応を中心に検討した。Ca^<2+>共存または非依存下でのペプチド処理を行った際の両細胞間での反応性の違いをFura-2AMでラベルした細胞を用い,Arugus HSCA蛍光イメージング装置により観察した。その結果、扁平上皮癌細胞SAS-H1とヒト2倍体上皮細胞HaCaTは、ともに細胞内Ca^<2+>ストアである小胞体からCa^<2+>放出がみちれた。しかし、SAS-H1細胞ではペプチドによる細胞膜ポア形成がみられたが、HaCaT細胞ではポア形成をみる細胞は少数に過ぎなかった。SAS-H1細胞ではthapsigarginで小胞体Ca^<2+>ストアを枯渇しても細胞膜ポア形成は抑制できなかった。従って、細胞膜ポア形成能と小胞体からのCa^<2+>放出は同時並行的に起きており、両者は関連しないことが示唆された。そこで、ペプチド処理によるネクローシスの可能性を検討したところ、Ca^<2+>非依存化での処理で細胞膜ポアを形成して、ネクローシスを来すことが示された。このことから、hCAP18/LL-37合成27残基ペプチドがアポトーシスとともにネクローシスの誘導を行い、抗腫瘍効果の増強に寄与することが推測された。
抗菌ペプチドによる核内シグナル促進機構の解明
ヒト樹状細胞および扁平上皮癌細胞SAS-H1と2倍体上皮細胞HaCaTにおけるhCAP18/LL-37合成27残基ペプチドの核内蛋白への移行を検討した。その結果、核分画で蛍光ラベルを行ったペプチドが移行することが樹状細胞で確認されたが、SAS-H1とHaCaT細胞では認めることができなかった。一方、hCAP18/LL-37による転写因子としてNFκ-Bの制御についてCATレポーターアッセイによる転写活性を検討しが、転写活性の増強はみられなかった。このことから、本ペプチドによる未知の転写因子の可能性を含めて検討することが必要とされた。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Cathelicidins-therapeutic antimicrobial and antitumor host defense peptides for oral diseases.2010

    • 著者名/発表者名
      Okumura, K
    • 雑誌名

      J.Dent.Res.Science. (In press)

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Antimicrobial activity of three tick defensing and four mammalian cathlicidin-derived synthetic peptides against Lyme disease spirochetes and bacteria isolated from the midgut.2009

    • 著者名/発表者名
      Isogai, E., Isogai, H., Takahashi, K., Kobayashi-Sakamoto, M., Okumura, K
    • 雑誌名

      Exp.Appl.Acrol. 49

      ページ: 221-228

    • 査読あり
  • [学会発表] ヒト抗菌ペプチドhCAP18/LL-37は、上皮間葉移行を介し細胞遊走を制御する2009

    • 著者名/発表者名
      奥村一彦、平慱彦、柴田考典
    • 学会等名
      第54回(社)日本口腔外科学会総会・学術大会
    • 発表場所
      札幌ユンベンションセンー(北海道)
    • 年月日
      20091009-20091011
  • [学会発表] Tumor suppression by hCAP18 in oral squamous cell carcinoma cells.2009

    • 著者名/発表者名
      Okumura, K., Sawada, N., Taira, H., Isogai, E., Shibata, T., Isogai, H.
    • 学会等名
      IADR-Continental European Division (CED),
    • 発表場所
      Gasteig Convention Centre, Munich, Germany.
    • 年月日
      20090910-20090912

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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