研究課題/領域番号 |
19592315
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研究機関 | 松本歯科大学 |
研究代表者 |
八上 公利 松本歯科大学, 歯学部, 准教授 (00210211)
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研究分担者 |
柳沢 茂 松本歯科大学, 総合歯科医学研究所, 教授 (20134942)
藤垣 佳久 松本歯科大学, 歯学部, 助教 (80367523)
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キーワード | PTH / TNFa / 骨形成 / 骨質 / bTCP / インプラント / 未分化間葉系幹細胞 / ハイブリッド |
研究概要 |
[目的]研究者は、自己の骨芽細胞と新規のハニカムβTCP吸収性スキャフォールドとを組み合わせた細胞ハイブリッド型人工骨の開発を試み、平成19年度に、担体としてPTH、TNFaを吸着させたハニカム構造のbTCP-コラーゲン複合体を作成した。そして、骨粗鬆症モデルマウスの顎堤欠損部に未分化問葉系幹細胞と移植し、PTH/TNFa抗体徐放性ハニカム構造bTCP-コラーゲン複合体では、骨陵形成が緻密であることが観察された。そこで平成20年度は、インプラント埋入部位の骨造成の検討を行った。 [材料および方法]骨髄細胞は、ビーグル犬の大腿骨より全身麻酔下に還流法にて採取した。初期付着細胞のみ回収し、軟骨分化培地、骨芽細胞分化培地および脂肪分化培地で培養して多分化能を確認した後、間葉系幹細胞(BMSC)として使用した。PTH/TNFa抗体徐放性ハニカム構造bTCP-コラーゲン複合体にBMSCを2×105個/mlの濃度で骨分化培地(+/-rhBMP-2)において高密度旋回培養を行い、骨型の遺伝子発現、酵素活性およびSEMにて組織の構築状態を評価した。また、細胞ハイブリッド型人工骨としてイヌの下顎骨に骨欠損を形成し、歯科用インプラントとともに移植した。3ヵ月後、安楽死させて顎骨を摘出し、樹脂包埋して非脱灰研磨片を作製し光顕的に観察した。 [結果および考察]高密度培養にて間葉系幹細胞37Hとともに培養したところ、骨芽細胞分化培地により骨芽細胞分化が見られた。SEMにて37Hの構内を観察したところ、マトリックス様構造物の形成と石灰化が観察された。また、骨欠損部埋入実験では術後84日目に新生骨がインプラント表面の広い範囲で直接に接していた。以上のことより、37Hと自己間葉系幹細胞を用いたハイブリッド型人工骨は骨欠損補填材として有用と考えられた。
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