研究課題/領域番号 |
19592324
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研究機関 | 金沢医科大学 |
研究代表者 |
瀬上 夏樹 金沢医科大学, 医学部, 教授 (40148721)
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研究分担者 |
金山 景錫 金沢医科大学, 医学部, 講師 (50329380)
西浦 里英 金沢医科大学, 医学部, 助教 (20424898)
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キーワード | 高齢者 / 習慣性顎関節脱臼 / 病因 / 疫学調査 / 低侵襲手術 |
研究概要 |
習慣性顎関節脱臼の病因は明らかにされておらず、また高齢患者の治療において基礎疾患の存在などから全身麻酔たよる手術は禁忌となる傾向があり、現在の治療実態は謎である。そこで当教室で独自に開発した2種の低侵襲手術法すなわち内視鏡下顎関節脱臼手術および局所麻酔下での関節切開による関節結節形成術を適応して、その有用性と適応症、偶発症について明らかとすることを目的とした。外科治療の適応:脱臼症状を頻回に繰返して生活の質に著しい低下をきたしている患者に対して、全身麻酔可能または禁忌の判断で局所麻酔の適応を判断し、内視鏡下脱臼手術(2例4関節)ならびに局所麻酔下の低侵襲開放手術による関節結節形成術(3例5関節)を施行した。これらの詳細は、すでに欧文誌あるいは本年度の国際学会で発表しており、十分な質疑考察が行われたものである。手術遂行に際しては、患者自身、家族への充分なインフォームドコンセントを確立のうえ遂行した。手術前後の詳細な症状推移、偶発症、画像所見推移を記録し手術法の詳細により、上記の両手術法は合併症なく実行でき、再発なく良好に経過したことから、各手術手技の優劣よりも、手術法の選択基準として患者の全身状態や全麻適応、本人や家族の意向などにより判断するべきものと考えられた。平成20年度以降は、患者の症状および画像、咀嚼嚥下機能の追跡を行い、併せて高齢者の顎関節脱臼病因としての全身(神経疾患の有無あるいは悪習癖の有無)および局所因子(MRIまたはCT画像における骨形態や関節結節の膨隆度の定量的評価)の究明を行うべきと考えられる。
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