研究課題/領域番号 |
19592325
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研究機関 | 松本歯科大学 |
研究代表者 |
富田 美穂子 松本歯科大学, 歯学部, 准教授 (00366329)
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研究分担者 |
山下 秀一郎 松本歯科大学, 大学院・歯学独立研究科, 教授 (80242212)
小野塚 実 神奈川歯科大学, 歯学部, 教授 (90084780)
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キーワード | 疼痛 / 扁桃体 / 帯状回 / 磁気共鳴機能画像 / fMRI |
研究概要 |
痛みを抑制するためには何が有効かを調べるために、動物とヒトを用いて実験を行った。 1.動物実験では、痛みの伝達経路の一部である扁桃体に注目して尾部に機械的刺激を90秒間に2秒づつ与えたときの帯状回からの反応を電気生理学的に調べ、それをもとに扁桃体を2μA,100Hzで15秒間の電気刺激を与えた時の痛みに対する帯状回からの反応の変化を比較した。その結果、帯状回からの痛み刺激に対する反応は、扁桃体の刺激により約90分間は抑制されることがわかった。この結果は、30μgのモルヒネを側脳室に投与したときと同じ結果となったため、扁桃体を刺激すると内因性オピオイドを分泌させるのではないかと予想される。したがって、今後は免疫組織学染色を用いて内因性オピオイドを確認する予定である。 2.ヒトを対象にした実験では、磁気共鳴機能画像(fMRI)を用いて被検者の足に痛みを与えたときの帯状回の活動を確認した。痛み刺激は人為的に剣山を用いて、それを5秒間に1回づつ5回押し当てるという方法をとり、i)痛みを感じたら噛み締める、ii)バイトプレートを咬んでいるときに痛み刺激を与える、などの条件を組み、それぞれの条件のときの帯状回の活動変化を比較した。その結果、ヒトにより個人差は見受けられるが、痛み刺激を加えただけの時よりも、条件i)ii)のときのほうが、帯状回の活動が弱まっている傾向がみられた。MRIの機械の中では金属のものが使用できないために、条件設定には制限がかかるが、可能な限りの条件を考え被検者を増やす予定である。
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