• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2007 年度 実績報告書

口腔癌の浸潤・転移を制御する上皮・間葉移行とp63発現機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 19592337
研究機関広島大学

研究代表者

東川 晃一郎  広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (80363084)

研究分担者 鎌田 伸之  広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (70242211)
小野 重弘  広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (70379882)
重石 英生  広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (90397943)
三谷 佳嗣  広島大学, 病院, 歯科診療医 (30432678)
キーワード口腔癌 / 浸潤・転移 / 上皮・間葉移行 / p63
研究概要

ヒト扁平上皮癌細胞において,転写因子SnailがE-カドヘリンの発現を抑制してEMTを誘導し,癌細胞は高度浸潤能を獲得するが,Snailは癌抑制遺伝子p53のファミリー遺伝子であるp63の発現を抑制する.p63をノックダウンすると癌細胞の浸潤能が亢進し,それにはE-カドヘリンの発現抑制は伴わなかった.これはp63の発現抑制による浸潤能が亢進にはEMTとは別のメカニズムが働いていることが推測され,このメカニズムを解明するためにp63の下流遺伝子を検索した.転写抑制因子IdはbHLH型転写因子であるE2Aを抑制することが知られているが,このファミリー遺伝子のひとつであるId3がp63のノックダウンによって発現が抑制されることを見いだした.そこで高度浸潤能を示すEMT細胞にp63を過剰発現させるとId3が誘導され,さらにEMT細胞にId3を過剰発現させると浸潤能が有意にブロックされた.しかもId3によってE-カドヘリンの発現は誘導されなかった.これはId3がE2AのE-カドヘリンの発現抑制能を抑制するにもかかわらず,つまりIdの過剰発現はE-カドヘリンの発現を誘導するのだが,Snailが有意にE-カドヘリンの発現を抑えることをプロモーター解析で示した.この結果はE-カドヘリン非依存性の浸潤能獲得のメカニズムの一端を示すものであった.またId3は細胞外基質分解酵素MMP2の発現を抑制することを見いだし,現在そのメカニズムを解析中である.

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2008 2007

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件)

  • [雑誌論文] Gene expression profiling to identify genes associated with high-invasiveness in human squamous cell carcinoma with epithelial-to-mesenchymal transition.2008

    • 著者名/発表者名
      東川 晃一郎
    • 雑誌名

      Cancer Letters (印刷中)

    • 査読あり
  • [雑誌論文] EMTを介した癌の高度浸潤能獲得の分子機構2008

    • 著者名/発表者名
      鎌田 伸之
    • 雑誌名

      細胞工学 (印刷中)

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Snail-induced down-regulation of DeltaNp63alpha acquires invasive phenotype of human squamous cell carcinoma.2007

    • 著者名/発表者名
      東川 晃一郎
    • 雑誌名

      Cancer Research 67・19

      ページ: 9207-9213

    • 査読あり

URL: 

公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi