研究課題/領域番号 |
19592344
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
菊入 崇 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 助教 (10322819)
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研究分担者 |
大島 昇平 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 助教 (00374546)
吉村 善隆 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 助教 (30230816)
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キーワード | カルシニューリン / 歯胚 / 免疫染色 / in situ hybridization |
研究概要 |
カルシニューリンは、様々な転写因子の制御を行い、細胞内情情報伝達機構に関わる重要な分子である。本研究ではカルシニューリンが歯の発生・形成過程のどの時期に、また、どの細胞に発現しているかを組織学的に解析することにより、歯の発生・分化過程におけるカルシニューリンの役割を解明することを目的し、以下の実験を行った。 硬組織が形成される歯胚の発生段階のマウスから歯胚領域を含む顎体部を摘出し、得られた試料について作成した切片を用いて免疫組織化学法を行い、カルシニユーリンの各subunitの発現解析を行った。カルシニューリンA alpha、カルシニューリンA betaに関してはすべての発育段階において歯胚領域を含む広い領域で発現が認められたが、カルシニューリンAgammaは発現を確認することができなかった。カルシニューリンAgammaに関して脱灰パラフィン切片を用いたアイソトープ(P^<33>)によるin situ hybridization法を行ったが、特異的な発現は認められなかった。免疫染色の解析と合わせて、カルシニューリンA gammaは歯胚には発現していないという結論に達した。調節subunitであるカルシニューリンA b1は歯胚領域に発現がみられたが、カルシニューリンA b2に関しては歯胚には発現が認められなかった。 発現領域については、細胞や組織の分化期である蕾状期から鐘状期の歯胚ではカルシニューリンA alpha、カルシニューリンAbeta、カルシニューリンA b1は、歯性上皮由来の細胞、外胚葉性間葉由来の細胞両方において発現がみられた。硬組織形成期においてはエナメル芽細胞、中間層細胞、象牙芽細胞、歯髄細胞に発現がみられた。それぞれのsubunitは、同じ細胞に発現していたが、発現している細胞での局在位置は異なっていた。
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