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2008 年度 実績報告書

FGF23がくる病マウスの硬組織形成細胞におけるリン輸送体の発現異常に及ぼす影響

研究課題

研究課題/領域番号 19592349
研究機関大阪大学

研究代表者

大西 智之  大阪大学, 大学院・歯学研究科, 招聘教員 (30303978)

研究分担者 大嶋 隆  大阪大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (80116003)
キーワードHypマウス / 象牙質石灰化異常 / NaPT2 / 分子生物学 / FGF23
研究概要

X連鎖性低リン血症くる病(XLH)は、発育遅延、低リン血症、骨形成不全を主症状とする遺伝性疾患であり、歯科的には特徴的な歯の石灰化異常を有する。Fibroblast growth factor (FGF)23は、常染色体性低リン血症性くる病の原因遺伝子で,さらに、XLHやその疾患モデル動物であるHypマウスの血清におけるFGF23の濃度が高いことなどから,リンの代謝や硬組織の石灰化に重要な役割を有することが示唆されているもののその詳細は不明である。本研究では、FGF23がリンの代謝異常を有するHypマウスの硬組織石灰化異常にどのように関連しているのかを検討した。まず,歯におけるFGF23の分布を,RT-PCR法およびin situ hybridiation法を用いて検討した結果、前エナメル芽細胞,エナメル芽細胞および象牙芽細胞にFGF23mRNAが発現していることがわかった。さらに,定量的RT-PCR反応の結果、Hypマウスの歯では、野生型マウスと比較してFGF23mRNAの発現量が有意に多かった。一方,小腸などで無機リンの細胞内への輸送に重要な役割を有している2型ナトリウムーリン酸共輸送体(Npt2b)が歯形成時にどのように分布しているかを調べた。その結果,エナメル芽細胞および幼若な象牙芽細胞にNpt2bが分布する事がわかった。また,歯根形成期においては,幼若な象牙芽細胞以外では一部の歯根膜線維芽細胞がNpt2b陽性であった。
XLHの原因遺伝子であるPHEXは,主に骨芽細胞や象牙芽細胞に発現し,FGF23の発現を負に制御すると考えられている。今回示したように,FGF23が骨ばかりでなく歯にも発現しており,さらに,Hypマウスにおいて過剰に発現することは,このことを裏付けている。また,Npt2bは小腸などにおいてリンの吸収を担っていることが報告されており,FGF23との関連も考察されているが,今回の研究において,硬組織形成細胞でない線維芽細胞などに発現していたことから,歯の形成過程においてNpt2bは石灰化と関連しない可能性が示唆された。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2008

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件)

  • [雑誌論文] Remineralization effects of gum arabic on caries-like enamel lesions.2008

    • 著者名/発表者名
      Tomoyuki Onishi, et al.
    • 雑誌名

      Archiv. Oral Biol. 53

      ページ: 257-260

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Phex mutation causes overexpression of FGF23 in teeth.2008

    • 著者名/発表者名
      Tomoyuki Onishi, et al.
    • 雑誌名

      Archiv. Oral Biol. 53

      ページ: 99-104

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Relationship of vitamin D with calbindin D9k and D28k expression in ameloblas.2008

    • 著者名/発表者名
      Tomoyuki Onishi, et al.
    • 雑誌名

      Archiv. Oral Biol. 53

      ページ: 117-123

    • 査読あり

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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