急性あるいは亜急性に咬合に変化が生じた後に咀嚼運動を行った場合に起こった咬筋や側頭筋の血液動態の変化としては、還元ヘモグロビン濃度が上昇し、酸化ヘモグロビン濃度が減少することが明らかとなった。以上より、咀嚼時の咬合干渉によって閉口筋の酸素消費量が増加することが明らかとなった。酸化ヘモグロビン濃度は咀嚼開始後30 秒で一度上昇した後に減少した。この減少量は咬合干渉を与えたときのほうが与えなかったときよりも大きかった。このような変化は作業側においても非作業側においても同程度であった。筋血液酸素飽和度は咀嚼中にわずかに減少し、咀嚼終了後15分で安静時レベルに回復した。以上より、咬合干渉が咀嚼筋の血液動態に咬合干渉による影響は咀嚼運動後に顕著に出現することが明らかとなった。
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