研究課題/領域番号 |
19592355
|
研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
堀内 信也 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教 (70263861)
|
研究分担者 |
辻 けい子 徳島大学, 医学部・歯学部附属病院, 医員 (80380096)
井澤 俊 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教 (30380017)
藤原 慎視 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教 (70403706)
|
キーワード | 人工骨置換材 / リン酸亜鉛 / ハイドロキシアパタイト |
研究概要 |
当該研究初年度として、リン酸亜鉛セメント硬化体をリン酸カルシウムへと置換する際の条件と、置換反応後の亜鉛の溶解性を検討した。 1.ホーパイト結晶のリン酸カルシウム置換機構の解明 ホーパイト試薬の懸濁液に、種々のカルシウムイオン水溶液を滴下し、リン酸カルシウムへの置換反応を観察した。反応温度は37℃、60℃、90℃とし、置換反応中のpH変動をモニターし反応速度論的解析を行ったところ、置換反応は反応温度に応じて早くなり、pHの変化も急激なものとなった。また、反応中の懸濁液を一定時間で濾過し、置換反応の中間生成物を粉末X線回折にて分析したところ、リン酸亜鉛のピークとハイドロキシアパタイトのピーク双方が観察され、反応が収束に向かうにつれハイドロキシアパタイトのピークが強くなった。 2.リン酸亜鉛セメント硬化体粉砕粉末のリン酸カルシウム置換機構の解明 1.と同様にリン酸亜鉛セメント硬化体をオートミルにて粉砕後、種々のカルシウム含有水溶液を滴下することで、リン酸カルシウムへの置換を試みた。セメント粉砕粉末のリン酸カルシウム置換は非常にわずかで、セメント硬化体表面をスクラッチして得られた粉末で、リン酸亜鉛の微弱なピークが観察された。 3.リン酸亜鉛セメント硬化体をリン酸カルシウム置換した際の亜鉛の溶解度の解析 リン酸亜鉛セメント硬化体にカルシウム含有水溶液を滴下することで、リン酸カルシウムへの置換を行い、得られた試料の擬似体液に対する溶解性を検討したところ、溶解する亜鉛濃度が比較的大きいことがわかった。
|