研究課題/領域番号 |
19592359
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
佛坂 斉祉 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 講師 (90199513)
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研究分担者 |
芝崎 龍典 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (70399757)
田中 基大 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (90420629)
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キーワード | 歯根吸収 / 再石灰化 / 抗炎症剤 / 有限要素法 / ラット |
研究概要 |
矯正治療による歯根吸収についての研究は、矯正治療中の原因因子の探索、組織変化、分子メカニズムの解明などが検討されている。歯根吸収の予防、予測および回避は現在のところ難しい。本研究の目的は、歯根吸収予防のために、再石灰化治癒に必要な時間を特定し、さらに再石灰化治癒を促進する薬剤を見つけることであった。そのために、下の3項目を行った。1.走査型電子顕微鏡(SEM)で歯根吸収と再石灰化治癒の面積の測定し、走査型レーザー顕微鏡で深さと容積を測定した。結果、遠心根で重度の中央根で中程度の、また近心根で軽度の歯根吸収ぶ観察されたが、これらを4ヶ月まで経時的に観察すると歯根吸収部位の最大70%の再石灰化治癒が認められた。これは、金ての根において観察された。これは、歯根吸収の再石灰化治癒は歯根吸収の程度に依存しないことを示唆している。2.ラット上顎第一臼歯の5本の歯根の部位の違いにより歯根吸収が大きく違う理由を力学的に解析するため、3次元有限要素モデルを作製した。結果、遠心頬側根の歯頚部近心面において強い応力をみた。しかしながら、歯根吸収部位とは一致しなかった。これは、矯正力による初期偏位によって歯根吸収部位を説明できないこどを示唆している。3.薬剤(ステロイド系抗炎症剤や非ステロイド系抗炎症剤等)の歯根吸収治癒に対する効果を評価した。結果、ステロイド性抗炎症剤プレドニゾロンと非ステロイド性抗炎症剤セレコキシブは歯根吸収を抑制した。しかしながら、これらの抗炎症剤は歯の移動もまた抑制することが観察された。
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