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2007 年度 実績報告書

プラズマイオンビームを用いたイオン注入法による矯正装置のナノ構造表面改質

研究課題

研究課題/領域番号 19592363
研究機関北海道医療大学

研究代表者

飯嶋 雅弘  北海道医療大学, 歯学部, 准教授 (20305915)

研究分担者 溝口 到  北海道医療大学, 歯学部, 教授 (20200032)
キーワードNi-Tiワイヤー / イオン注入 / 腐食試験 / X線光電子分光法
研究概要

本研究の目的は、プラズマを用いたイオン注入法(Plasma Immersion Ion Implantation:PIII)の矯正用ブラケットならびに矯正用ワイヤーへの応用を検討することである。平成19年度においては、窒素イオンを注入した市販Ni-Ti合金ワイヤーの耐食性について調べた。試料としては、Neo Sentalloy Ionguard(窒素イオン注入Ni-Tiワイヤー)とNeo Sentalloy(Ni-Tiワイヤー)を用いた。これらの試料について、人口唾液中における溶出イオンの定量とアノード分極曲線の測定による腐食試験を行った。さらに、X線光電子分光法とナノインデンテーションテストを用いた表面構造の解析を行った。窒素イオン注入Ni-Tiワイヤーから溶出したNiイオンの量は、Ni-Tiワイヤーから溶出した量と比較して有意に少なかった。また、窒素イオン注入Ni-Tiワイヤーの腐食電位は、Ni-Tiワイヤーと比較して高い値を示したが、脱不働体化電位は低い値を示した。以上の結果から、窒素イオン注入Ni-Tiワイヤーは、Ni-Tiワイヤーよりも高い耐食性を有するが、局部腐食感受性は高いものと考えられた。X線光電子分光法の結果から、いずれのワイヤーともにその表層はTi-richな構造を有し、窒素イオン注入Ni-Tiワイヤーでは、アルゴンイオンスパッタリング後においても窒化物のピークが認められた。以上の結果から、窒素イオンを用いたプラズマイオン注入法は、Ni-Ti合金ワイヤーの耐食性を向上させることが考えられた。チタン合金の耐食性は、フッ素を含む酸性溶液中において低下することが懸念されるので、フッ素を含む酸性溶液中の耐食性についても今後検討する必要がある。

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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