研究概要 |
今年度実施した研究事項と得られた主たる研究成果は以下の通りである。 1.マウスを用いた実験的歯の矯正治療時における歯周組織等における種々の細胞の反応上記事象の惹起には歯根膜線維芽細胞の分化が密接に関与していることは,昨年度の研究成果で明らかになっていたが,今年度のデータからいわゆる牽引側歯根膜線維芽細胞には刺激を受けた直後から細胞反応が起こる事が明らかになり,刺激後20分で既にRunx2の活性化が起こる。そしてその促進因子としてMsx2が働いている事が明らかになった。また,これらの確認の為にALPについても同様な検索を行ったところ,同様な挙動を示した事から,これらの細胞分化の方向性が“骨芽細胞の方向を向いている"事が確認された。このことについては,数回の学会発表と1篇の論文として印刷公表した。 また,傷害刺激因子に対する反応としてHSPについても着目し,若干の基礎データが得られた。これについても数回の学会発表を行った。 2.下顎頭軟骨の初期発生の調節機構 マウスの下顎頭軟骨の初期発生にはNotchシグナルが重要な役割を果たしていることを明らかにし,その内容は数回の学会発表を行うとともに,論文としても2編印刷公表した。すなわち,その初期分化,軟骨外骨化における骨芽細胞の分化,肥大軟骨細胞層での細胞分化などに積極的に働いている事などである。
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