研究課題/領域番号 |
19592375
|
研究機関 | 松本歯科大学 |
研究代表者 |
中村 美どり 松本歯科大学, 歯学部, 講師 (90278177)
|
研究分担者 |
宮沢 裕夫 松本歯科大学, 大学院・歯学独立研究科, 教授 (90147637)
中村 浩志 松本歯科大学, 総合歯科医学研究所, 講師 (00278178)
二宮 禎 松本歯科大学, 総合歯科医学研究所, 講師 (00360222)
上原 俊介 松本歯科大学, 歯学部, 助教 (90434480)
宇田川 信之 松本歯科大学, 歯学部, 教授 (70245801)
|
キーワード | 受容体Xレチノイド / 骨代謝 / OPG遺伝子欠損マウス / 卵巣摘出術 / RXRアンタゴニスト / RXRアゴニスト / ビスフォスフォネート / 骨吸収 |
研究概要 |
【目的】レチノイン酸は、細胞の分化・増殖・形態形成などを制御する内因性物質である。レチノイン酸のシグナルは、レチノイン酸受容体(RAR)およびレチノイドX受容体(RXR)を介して、その作用が発揮される。今回、骨粗鬆症モデルマウスに各種RXRリガンドを投与する実験を行った。 【方法】骨粗鬆症モデル動物である卵巣摘出術(OVX)を施したC57BL/6JマウスとOPG遺伝子欠損マウスに対して、各種RXR関連化合物を練り餌に混和して毎日4週間投与した。 【結果】(1)RXRアンタゴニストとして合成されたHX531の骨粗鬆症マウスに対する投与は、腰椎海綿骨部および大腿骨皮質骨部における著明な骨量増加を誘導した。この作用は、ビスフォスフォネート投与と同等の効果であった。(2)HX531投与は、骨組織における破骨細胞数を減少させ、高値を示す各種骨吸収パラメーターを著しく低下させた。また、骨形成パラメーターの亢進に対しても、HX531は抑制作用を示した。(3)RARアンタゴニストPA452には、骨量増加作用は認められなかった。一方、RXRアゴニスト作用が報告されているHX630とPA024の投与においても、骨量増加作用が認められた。これらの薬物は骨形成パラメーターには影響を与えず、骨吸収抑制作用のみ示した。 【結論】RXRアンタゴニスト・アゴニスト共に、in vivoにおける破骨細胞による骨吸収を阻害することにより、強い骨量増加作用を示すことが明らかとなった。
|