研究概要 |
BMP(骨形成因子)を生体吸収性移植材料からなるオンプラント、インプラントの植立体表面に複合化することにより、矯正歯科治療のための新しいオンプラント、インプラントの開発を目的とした。加えて、オンプラントを骨表面に設置するためには、その前提として十分な骨の存在、修復がされている必要がある。そこで矯正治療の際抜歯される歯を脱灰した脱灰歯牙基質(DDM)に注目し、骨補填材として有用か検討することも本研究の目的とした。本年度の研究成果としてオンプラントマテリアルと骨との早期結合力を得るためにオンプラントマテリアルの表面にハイドロキシアパタイト,アルファTCPのコーティングを行い、ウサギ大腿骨上に設置し、その経時的骨結合強さと表面性状の変化の検討を進めた。その結果、アルファTCPが最も早期に強力な新生骨との結合を示し、オンプラント設置後のメッシュ部分に形成される新生骨形成量も大きい値を示した。この結果をもとに現在BMPとの複合化について検討を進めている。この結果は、2009年度のDental Materials Journal誌に掲載された。また、オンプラント、インプラントを設置する部位の骨を形成しておくための新生骨形成を検討し、矯正治療の際抜歯される歯を脱灰した脱灰歯牙基質(DDM)の移植実験をおこなった。その結果、DDMは優れた骨修復促進作用を有し、オンプラント、インプラント植立前処置のための骨修復材としてきわめて有用であることが示唆された。本研究は2009年度Calcif Tissue Int誌に掲載された。さらに、抜歯窩の骨吸収を抑制することも植立部位確保のため必要であり、抜歯窩におけるビスフォスフォネート投与の骨吸収に及ぼす影響も検討した。その結果、ビスファスフォネートは、抜歯窩の骨修復の初期は抑制することが明らかとなった。この結果は、2009年度J Bone Miner Metab誌に掲載された。
|