研究概要 |
本年度はin vivoにおける歯周組織再生の研究として、エムドゲイン^<[○!R]>ゲル(以下EMD)、塩基性線維芽細胞増殖因子(以下bFGF)、 GEM21S^^<[○!R]>(血小板由来成長因子/β-リン酸三カルシウム:以下PDGF/β-TCP)を用いイヌの2壁性骨欠損における歯周組織再生について組織学的に検討を行った。2壁性骨欠損におけるEMD群、FGF群、PDGF/β-TCP群で各々良好な歯周組織再生が認められた。しかしながらEMDのみではスペースメインテナンスが困難で、無細胞性セメント質の再生には有効ではあるが顕著な骨誘導能を有さない可能性が示唆された。FGF群は新生骨形成量が最も多く骨誘導能が極めて高いことが示唆された。PDGF/β-TCP群ではβ-TCPの骨伝導能の発現、安定した歯周組織再生が認められた。しかしFGF群と比較し骨形成量が少なかったことは8週の観察期間では残留TCPの骨置換が完了しておらず、むしろ治癒スペースが阻害されていた可能性が考えられた。in vitroの研究では、ヒトセメント芽細胞様細胞株(HCEM)を用いて、免疫抑制剤の一つであるFK-506の骨関連遺伝子(Runx2/Cbfa-1, Osterix, ALP, BSP, ALP)およびALP活性に与える影響を検討した。まず、FK-506(1μg/ml)を添加、未添加の骨分化培地で7日間培養し解析したところ、骨関連遺伝子、ALP活性ともに両群間での差は認められなかった。次に強力な骨分化因子であるBMP-2とFK-506による共刺激で7日間培養したところ、BMP-2単独刺激と比較して共刺激群では、ALP活性の有意な上昇が認められた。またリアルタイムPCR法を用いて骨関連遺伝子の発現量を解析したところ、刺激後7日目においてBMP-2単独群と比較して共刺激群では転写因子Osterixの遺伝子発現の増加が認められた。
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