研究課題/領域番号 |
19592386
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
橋川 智子 大阪大学, 大学院・歯学研究科, 助教 (00362682)
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研究分担者 |
村上 伸也 大阪大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (70239490)
北村 正博 大阪大学, 歯学部附属病院, 講師 (10243247)
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キーワード | プリンヌクレオシド / 脂肪組織由来幹細胞 / 歯周組織再生療法 |
研究概要 |
(1) ヒトADSCの分化能の解析: フローサイトメトリーを用いて、脂肪組織由来未分化間葉系幹細胞(ADSC)の各種表面抗原の解析を行った結果、ADSC上にはCD73、CD44、CD105、CD166、SSEA4の発現を認め、CD34、CD45の発現は認められなかった。また、ADSCの増殖能を増殖曲線により解析した結果、継代を重ねても高い増殖能を示した。さらに増殖能が消失するまで継代を続けた後、G-band法およびSKY法にて染色体検査を行った結果、ADSCは増殖しなくなるまで継代数が進んでも染色体異常は認められなかった。 アルカリフォスファターゼ活性の測定および石灰化ノジュール形成の解析:ADSCを硬組織誘導培地(デキサメタゾン含有あるいは非含有の、10mM β-グリセロリン酸、50μg/mlアスコルビン酸、10%FCS添加D-MEM)にて長期培養を行った際のALPase活性を経時的に測定し、また、石灰化ノジュールの形成をアリザリン染色にて解析した結果、ADSC中のALPase活性が上昇し、石灰化ノジュールの形成が認められることが確認された。以上の結果より、ADSCは硬組織形成能を有することが確認され、また長期培養後の形質転換もなく安全性が高いことが示唆された。 (2) ビーグル犬脂肪組織からのADSC単離: ビーグル犬の腹部大網より脂肪組織を採取、細断し、1時間のコラゲナーゼ処理を行った。得られた細胞よりficollを用いた比重遠心により赤血球を除去し播種、培養プレートに付着した細胞を3代継代することにより、ADSCの単離に成功した。同細胞を用いて、平成20年度には、ビーグル犬を用いた実験的歯周病モデルへ幹細胞移植を行うことを計画している。
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