研究概要 |
本研究では, 歯周病の予防について歯周組織の感染に対する頑健性(ロバストネス)を抗菌ペプチドの発現に注目して検討を行った。その結果, 口腔上皮細胞では通常時で高発現を示すものと外的刺激により発現上昇する抗菌ペプチドが認められた。抗菌ペプチドを介したロバストネス強化因子としてInterleukin-1α(IL・1α)と小柴胡湯の効果を調べた結果, 7つの抗菌ペプチドの発現上昇が認められた。また, Calprotectinの発現については, 上皮細胞と線維芽細胞の間でIL-1αとKeratinocyte growth factor(KGF)によってその発現が調節されていることが判明した。これらの結果は, ロバストネスに視点をおいた歯周病予防の研究の基盤となると考えられる。
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