研究課題/領域番号 |
19592389
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
原 宜興 長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (60159100)
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研究分担者 |
吉村 篤利 長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 准教授 (70253680)
金子 高士 長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (10284697)
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キーワード | T cell / LPS誘導型骨吸収 / RANKL / interferon-γ / interleukin-4 |
研究概要 |
骨吸収への免疫系細胞の関連が既にいわれているところであるが、個々の免疫系細胞の関与についてはいまだにその詳細は不明の部分が多い。そこで平成19年度においては、LPSによって誘導される骨吸収へのT cellの関与を検討するため、正常マウスの脾臓からT cellを精製し、これをT cellとB cell両者が存在しないSCIDマウスに移入した。T cell移入マウス、SCIDマウス、正常マウスの歯肉にLPSを48時間おきに13回投与した。これらを屠殺後、顎骨を摘出し病理組織学的ならびに免疫組織学的に比較観察した。その結果、SCIDマウスには骨吸収は起こっていなかったが、正常マウスには強い骨吸収が起こっており、T cell移入マウスにも骨吸収が起こっていた。さらにRANKL陽性細胞数を調べてみると、SCIDマウスが最も少なく、T cell移入マウス、正常マウスの順であった。一方interferon-γ陽性細胞数は、T cell移入マウスが最も高かった。さらにinterleukin-4陽性細胞をみると、正常マウスにはその存在が観察されたものの、T cellはB cellが存在しない状況しにおいてもLPS誘導型の骨吸収を促進しうることがあらかとなった。この骨吸収促進にはRNKL陽性細胞が関与していると推測された。骨吸収抑制作用があるとされるinterferon-γとinterleukin-4の存在様式は、B cellの存在の有無により異なっていることも明らかとなった。
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