平成20年度は、歯根膜線維芽細胞の培養系を用いて、形成されるオキシタラン線維と細胞膜に存在するインテグリンとの関係を解析した。オキシタラン線維の主要構成分子であるfibrillin-1はRGD(Arg-Gly-Asp)配列を有し、インテグリン結合部位があることが知られている。また、歯根膜線維芽細胞がインテグリンαvβ3を発現していることから、αvβ3特異的な阻害剤を培養液に添加することにより形成されるオキシタラン線維の変化を生化学的および形態学的に調べた。その結果、歯根膜線維芽細胞がオキシタラン線維形成期にインテグリンαvβ3を発現していることを明らかにした。また、阻害剤添加によりオキシタラン線維の形成が抑制されることを蛍光顕微鏡により明らかにした。今後はメカニカルストレス付与による影響を調べる予定である。
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