• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2008 年度 実績報告書

歯周組織における血小板由来因子の役割

研究課題

研究課題/領域番号 19592395
研究機関日本大学

研究代表者

大島 光宏  日本大学, 歯学部, 専任講師 (30194145)

研究分担者 山口 洋子  日本大学, 歯学部, 助手 (00239922)
キーワード三次元培養 / 歯周炎 / 細胞外マトリックスの分解 / 歯肉線維芽細胞 / 血小板由来因子(TGF-beta)
研究概要

歯周組織の破壊をin vitroでシミュレートするために,三次元培養法を用いて上皮と間葉との相互作用を調べ,歯周炎の病態形成モデル作成が可能であるかどうかを調べた。コラーゲンゲル内にヒト歯肉線維芽細胞(GF)または歯根膜線維芽細胞(PLF)を播種し,6穴プレート内で硬化させた後,ヒト歯肉上皮細胞(GE)を播種した。24時間後にゲルをプレートの底から浮かせ(floating culture)さらに5日間培養を継続した後,ゲルをメッシュ上に載せ,表面が空気に曝される状態でさらに5日間培養した。このゲルを固定し,通法に従いHE標本を作製した。また,各種阻害剤を用いて,ゲル収縮に及ぼす影響を調べた。GEはゲル内には浸潤せずにゲル表面全体を覆った。GEとGFやPLFとを組み合わせると,ゲルの直径は6から10mm程度に収縮した。さらに,GEと歯周炎に罹患した他の個体のGFを組み合わせた場合,ゲルがほとんど分解され,直径が2mm程度まで収縮した。このとき,HE標本では線維芽細胞周囲に空胞が観察された。このGEとGFの組み合わせにMMP阻害剤,セリンプロテアーゼ阻害剤,TGFβRI阻害剤またはデキサメタゾンを加えておくと,ゲルの収縮が顕著に抑制されたが,PDGFR阻害剤を使用しても収縮には変化がなく,またEGFR阻害剤を加えると,ゲルの収縮はかえって促進された。以上のことから,三次元培養法は,歯周炎における上皮の深行増殖モデルには適さないが,上皮と間葉との相互作用による結合組織破壊の実験モデルとしての有用性が示された。GEとGFやPLFとの三次元培養により,過剰なゲル分解を示したGFにおける遺伝子発現プロファイルを調べることで,歯周炎に有効な分子標的治療薬が検索できると考えられた。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件) 産業財産権 (2件)

  • [雑誌論文] bFGF rescues imatinib/STI571-induced apoptosis of sis-NIH3T3 fibroblasts2009

    • 著者名/発表者名
      Ohshima M, Yamaguchi Y, Kappert K, Micke P, Otsuka K
    • 雑誌名

      Biochem Biophys Res Commun 381

      ページ: 165-170

    • 査読あり
  • [雑誌論文] In vitro characterization of the cytokine profile ofthe epithelial cell rests of Malassez2008

    • 著者名/発表者名
      Ohshima M, Yamaguchi Y, Micke P, Abiko Y, Otsuka K
    • 雑誌名

      J Periodontol 79

      ページ: 912-919

    • 査読あり
  • [学会発表] 三次元培養法による歯周炎モデルの試作2008

    • 著者名/発表者名
      大島光宏, 山口洋子, 松本直行, 加藤光保, ほか
    • 学会等名
      第31回日本分子生物学会年会, 第81回日本生化学会大会合同大会
    • 発表場所
      神戸ポートアイランド
    • 年月日
      2008-12-12
  • [産業財産権] 特許2009

    • 発明者名
      大島光宏, 山口洋子, 松本直行, 加藤光保
    • 権利者名
      日本大学
    • 産業財産権番号
      特願2009-072185
    • 出願年月日
      2009-03-24
  • [産業財産権] 特許2008

    • 発明者名
      大島光宏
    • 権利者名
      日本大学
    • 産業財産権番号
      特願2008-261265
    • 出願年月日
      2008-10-08

URL: 

公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi